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放課後等デイサービスの指定申請の流れと要件

                     
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放課後等デイサービスの指定申請の流れと要件

放課後等デイサービスを開所したい場合は、各自治体より指定申請を受ける必要があります。
今回は指定申請について解説していきます。

放課後等デイサービス(放デイ)とは

保育士

放課後等デイサービス、通称『放デイ』とは、主に6歳~18歳までの障がいを持つ児童に対して、放課後や学校の休校日に通える、まさに障がい児の学童保育であり児童の居場所作りとしても非常に重要な施設です。

放課後等デイサービスを事業として開所したい場合は、主に以下の4つの要件を満たしている必要があります

①法人格を有すること
②設備基準を満たすこと
③人員基準を満たすこと
④運営基準を満たすこと

順番に解説していきます。
※放課後等デイサービスの指定申請は各自治体により要件が大きく異なることがあります。
ここでは大枠を説明しますが、指定申請に向けて取り組む際は必ず各自治体の指定申請にかかるホームページや手引きをご確認ください。

①法人格を有すること

放課後等デイサービスの事業者は個人事業では開業できないため、株式会社・合同会社・NPO法人等の法人格を有している必要があります
また会社の定款には、放課後等デイサービス事業を運営する目的が記載されている必要があるため、事業の目的に『児童福祉法に基づく障害児通所支援事業』の項目が必要になります。
そのため、既存の法人で放課後等デイサービス事業を新しく始める際は定款変更を行い登記を行わなければなりません。

併せて定款に入れる事業者も多いですが、似た名称の『児童福祉法に基づく障害児相談支援事業』とは異なりますので混ざらないようにご注意ください。

②設備基準

放課後等デイサービスには身体の不自由な児童や多動な児童など様々な特性を持つ子どもが集まるため環境設定が非常に重要となります。
そのため、放課後等デイサービスを運営するに辺り設備基準が設けられています。
各自治体により要件や基準は異なりますが、以下の設備が整っていることが要件に上がることが多いです。

・指導訓練室
訓練に必要な機械器具などを揃える必要があります。
また広さの基準としては一人辺り2.47㎡以上の広さを必要としているため、定員10人の場合は24.7㎡の広さが必要になります。ただし自治体により3㎡の場合や4㎡の確保を求められることもあります。
・事務室
パソコン、電話、FAX、パソコン。鍵付きの書庫を揃える必要があります。個人情報が保護されている環境を整えましょう
・相談室
相談時などには個人情報が守られる環境を整えましょう
・静養室
児童のクールダウン等に使用します。
・手洗い設備・トイレ
手洗い設備とトイレは別の場所に設置を求められる場合も多いです。
トイレ介助を行うことも考えて、トイレは広めに作られているといいでしょう。
・その他支援に必要な設備や備品を揃えること

それ以外にも建物自体が建築基準法の要件に沿っていることや消防設備が整っていること等、
求められる条件も各自治体で細かく定められている場合が多いため、事業所などを借りる場合は自己判断をせずに各自治体に確認を取ってから契約を結ぶことにしましょう。

 

また、申請上の要件としてはあがらないため余談になりますが、
設備を整える上で放課後等デイサービスという施設の特性上、足の不自由な子や車椅子を使用する子どもにとっても動きやすい環境にするため、施設内の段差や傾斜にも配慮しましょう。
子どもの動線上に物が置かれないようにする仕組みも大切です。
飛び出し防止のため、出入口や窓には子どもが自力で開けられない仕組みの鍵をつけたり、階段などがある場合は、前後にドアや仕切りを付けるなどの配慮をして転落の防止に努めましょう。
あとは、児童の送迎の際に子どもが乗り降りをする場所は、道路を横断した所にある場所や車の往来が激しい場所などの危険な場所はなるべく避ける環境にしましょう。

周りの騒音と空調設備も非常に重要です。
日中の活動時間中、常に工事や騒音がしているような場所や熱がこもりやすかったり空調が利きにくい場所は、大人にとっては大したことに感じなくても、音に敏感な子どもや外部のストレスに弱い子ども等にとっては非常にストレスを感じることもあります。

③人員基準

放課後等デイサービスを開くには、適切な人員配置が必要になります。
10人までが利用する場合の最低人員は以下の通りです。

(1)児童発達支援管理責任者:1名(専任かつ常勤である者が一人以上必要です)
(2)管理者:1名
(3)保育士又は児童指導員、2年以上の障害福祉サービス経験者(半数以上は保育士又は児童指導員):2名(半数は常勤)以上が10人定員の1単位の場合の最低人員基準になります。

 

 

(1)児童発達支援管理責任者とは

児童発達支援管理責任者、略して児発管(じはつかん)と呼ばれる資格です。

具体的な仕事内容として、保護者との相談支援、アセスメントやモニタリング、子どもの個性に合わせた個別支援計画の作成等を行います。

児童発達支援管理責任者は常勤かつ専任で一人以上いることが必要です。
放課後等デイサービスを開くためには必須の資格なので、なるべく早めに人員を確保するようにしましょう。

(2)管理者

管理者とは従業者及び業務の管理や利用者の申込みに係る調整などの事業所の指揮命令を行う者です。
管理者は管理者としての職務に支障がない場合は他の職種と兼任することができます
(児童発達支援管理責任者兼管理者等)

(3)児童指導員又は保育士、2年以上の障害福祉サービス経験者

児童指導員又は保育士、2年以上の障害福祉サービス経験者を2人以上配置することが求められます。
ただし一人以上は常勤、半数以上が児童指導員又は保育士であることが必要です。

④運営基準

放課後等デイサービスを始めるためには運営をしていく上で一定の基準をクリアしなければなりません。

児童福祉法の69条から71条に定められますが、量が多くなってしまうためここでは一部をご紹介いたします。

・利用定員は10人以上、重症心身障害児の場合は5人以上とする。
・利用申込者に対して障がい児の特性に応じた配慮をした上でサービス内容や運営規程等の重要事項を文章にして交付し説明を行い、内容に同意を得なければならない。
・事業者は理由なく利用を拒んではなりません。
・市区町村や、障がい児相談支援事業が行う連絡調整にできる限り協力する事。
・障がい児の病状の急変などに備えるため、あらかじめ協力医療機関を定めておかなければならない。

運営基準はローカルルールが出やすい要件でもありますので、運営をするうえで他の自治体の管轄にある事業所を参考にする場合もあると思いますが、自分の自治体での要件をしっかりと確認しましょう。

運営基準の全文が気になる方はe-GOV 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準の第69条~71条で確認できます。

指定申請を受けるまでの流れ

申請までの流れとしての大枠は下記のようになります。ただし事前に指定前説明会に参加することが必要だったり、現地調査が必要のない所があるなど各自治体により流れは異なりますので注意が必要です。

放課後等デイサービス 流れ

事前協議

図面等を持っていき事業所としたい物件の設備要件の確認や、児童発達支援管理責任者の実務経験の確認等をしながら指定に関する協議・相談をしていきます。
事前に予約が必要なため、あらかじめ担当の課へ連絡をしておきましょう。

申請書作成

申請書はかなりの量があり、中には用意に日数がかかる公的な書類を求められることも多いため、事前に完成までのスケジュールを立てておきましょう。
開業前は申請書の作成のみならず、融資の計画やリースの契約等、事業者にとって申請以外にも済ませなければいけない手続きも多いため、もし申請書の作成まで手が回らない場合は行政書士へ依頼するのも一つの手です。

申請の締切は早ければ3か月前の末日のところもあれば、前月の15日が締め切りの場合等様々なため、各自治体の締め切り日から逆算してスケジュールを立てた上で、計画的に余裕を持って作成しましょう。

事前面談

申請書の提出前に行政の職員の方に申請書類等を見て貰い要件が整っているか、
申請書類などが問題なく揃っているかなどを確認してもらう面談です。

申請書提出・審査

締切直前に慌てないよう申請書の提出は裕を持って行いましょう
締切が土日の場合は直前の金曜になる場合などもあるので、締切日の確認は要注意です。

現地調査

提出した申請書類を基に、申請内容に違いはないか。
事業所の設備等に問題はないかなどを確認します。
また従業員が立ち会い申請書と照らし合わせて本人確認をする場合などもあります。

指定通知書の発行

申請内容にに問題がなかった場合は、事業所番号が書かれた通知書が届き申請は完了となります。

まとめ

放課後等デイサービスの指定申請についてまとめました。
ただし指定申請というのは非常にローカルルールが強いです。
それは地域柄や子どもの特徴が異なるため仕方ないことではありますが、
非常に事業者泣かせの場合が多く、2店舗目を隣の市に出そうとしていつもの要領で申請書を作っていたらまるで要件が足りてなかったなんてこともありえます。

そのため、申請に取り組む際は必ず出店する自治体での要件と申請方法を確認しましょう。

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