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株式会社の設立方法を要点ごとに解説

                     
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株式会社の設立方法を要点ごとに解説

これから株式会社を設立する方や興味のある方のために設立方法を要点ごとに解説していきます。

株式会社とは

まず株式会社とは、会社の所有者としての権利を出資者に株式という形で細分化して構成される会社を言います。

上記の具体例をあげて簡単に説明すると

ある会社をAさんが全額出資して100株を発行した会社を設立し、Aさんが100株を全てを有することになった場合は会社の権利全てがAさんのものとなります。

それに対してAさんとBさんで共同して出資した会社であり、Aさん50株、Bさん50株とした時は、AさんとBさんは会社に対して50%ずつの権利を有することになります。

もちろんこの場合AさんとBさんが出資したからと言って、AさんとBさんがそのまま会社を経営しなければならない訳ではなく、経営は別の者に任せることもできます。
これを『所有と経営の分離』と呼びます。

また、株式会社とは異なる会社の形態として合同会社があります。
合同会社は、出資者がそのまま経営者となることが株式会社と区別されています。
つまり、株式会社の場合は出資だけして株式を得て経営は別の者に任せるということができますが、合同会社は出資者=経営者となるのです。

合同会社のメリットとして設立の手続きや設立後の手続き簡素化されていたり、設立費用を安く抑えることができるため近年注目を集めています。
しかし、まだまだ株式会社の方が知名度としては一般的なので株式会社より信用を得にくい可能性があるというデメリットもあるため、
今後の運営を行っていく上で、どちらの形態の方が合っているのかを見定めたうえで設立をするようにしましょう。

参考リンク:合同会社とは?株式会社との違いを解説

 

余談ですが、以前は有限会社という形態もありましたがこちらの制度は既に廃止されており、
街中で見かける有限会社は制度が廃止される前に作られた会社のため、現在は作ることができません。

会社設立に必要な金額

株式会社設立の手続きには下記の金額が最低限必要になります。

・定款収入印紙代・・・・・・・・40,000円(電子定款の場合は不要)
・定款の認証手数料・・・・・・・50,000円
・定款の謄本取得料・・・・・・・2,000円
・株式会社設立の登録免許税・・・150,000円

〇合計242,000円

それ以外にも印鑑の作成料や、会社の設立後の手続きに必要な登記簿謄本の取得のための印紙代などの諸費用がかかりますが、設立までの手続きで最低限かかる費用は上記の通りです。

会社の設立時はなるべく費用を抑えたいため、この後詳しく説明しますが株式会社の設立に必ず必要な定款の作成を電子定款として作成することで収入印紙代のコストをカットすることもできます。

 

また、設立の中で最もかかる設立の登録免許税についても安く済ませる方法があります。
産業競争力強化法に基づいて各自治体等の団体が認定を受けて行う『特定創業支援事業』の支援(セミナー受講等)を受けることで、創業に関して様々な優遇措置を受けることができるのです。

その優遇措置の1つとして登記にかかる登録免許税が半額まで軽減することもできます。
セミナーでは今後の経営に重要な知識も得ることができるので、これから起業を考える方はぜひ検討してみましょう。

株式会社設立までの流れ

株式会社設立までの要点をまとめた流れはこのようになります。

株式会社 設立 流れ

会社の設立方法には、会社の設立を行った者のみで株式を引き受ける『発起設立』と、
発起人以外の者からも出資を受けて株主となる者を募集する『募集設立』があります。

ただし、会社を立ち上げる場合はほとんどが発起設立であり、募集設立は手続きが複雑になり特別な事情がある場合以外はあまり使わないので、今回は発起設立の方法を流れに沿って説明していきます

①会社の基本事項を決める

株式会社を立ち上げる場合、まずは会社の基本事項を定めましょう。
基本事項の一例は下記の通りです。

・商号(会社名)
・事業の目的
・本店の所在地
・役員の構成
・資本金
・事業年度
・広告の方法(官報公告、新聞広告、電子公告のいずれか)

・発行可能株式総数と発行済株式総数
・設立予定日

少なくとも上記の事項は株式会社設立の手続きに必要な情報となるため最初に決めておきましょう。
定款を作成した後や登記の後に上記の事項を変更すると様々な手続きをし直さなければならず、手数料も余計にかかってしまうので、決める際はなるべく慎重に決めましょう。

②印鑑の作成

株式会社の設立の手続きでは登記申請時に会社の実印を届け出る必要があるため設立前に実印を作成する必要があります。

法人の設立手続き自体は会社の実印さえ用意すれば手続きはできますが、
設立をすれば銀行口座を作成したり、日常の業務に角印やゴム印が必要になるため、一般的には実印作成の際にその他の印鑑も纏めて作成します。

一般的に必要とされる印鑑は『法人の実印』、『銀行員』、『社員(角印)』、『ゴム印』の4点を纏めて作成するケースが多いです。

印鑑の専門店などではこの印鑑のセットを法人セットとして作成してくれる会社も多いので検討してみましょう。

③定款の作成

定款とは、組織としてのルールを定めたもので、株式会社設立の際はこの定款を作成して公証役場で認証を受ける必要があります。

定款の種類

定款には紙の定款電子定款の2種類の作り方があります。
二つの違いは名前の通り、紙で作成し保存する定款と、電子データで作成する定款であるということです。
どちらの定款を作るかは各種の特徴を見比べる必要がありますが、特に決め手となることが多いのが設立費用でもあげた通り電子定款の収入印紙代の4万円がかからないというメリットがあることです。

初期費用を安く抑えたい事業者にとって非常にありがたいですが、電子定款は紙の定款と違い作成には専門的な機材が必要になります
自分で定款を作成する場合、元々機材が揃っている方複数の会社を設立する予定の方であれば機材を揃えて電子定款を作成してもいいかもしれませんが、
それ以外の場合ですと機材を揃える費用だけでも4万円を超えてしまう場合もあるため、収入印紙代を払っても紙の定款を選択した方が良い場合もあります。

電子定款の作成を専門にしている専門家(行政書士等)もいるため、そちらに依頼するという方法を検討してもいいでしょう。

定款の作成方法

定款の内容を作成するにはいくつかルールがあります。

絶対的記載事項

絶対的記載事項とは、定款の内容として必ず書かなければいけない事項を言います。

①目的
②商号
③本店の所在地
④設立に際して出資される財産の価格又はその最低額
⑤発起人の氏名又は名称及び住所
⑥発行可能株式総数

以上が絶対的記載事項と呼ばれ、上記の項目が一つでも欠けた定款では認証を受けることができません。

相対的記載事項

定款に記載する必要はありませんが、定款に書かなければその効力を発揮しない事項を言います。

例としては下記のものがあります。

・現物出資
・株式の譲渡制限の定め
・取締役の任期の定め
・公告の方法

特に株式の譲渡制限のようにほとんどの中小企業で入れる事項もあるため、
定款作成の際は一つ一つ確認していきましょう。

任意的記載事項

絶対的記載事項と相対的記載事項以外で定款に自由に定められるな項目であり、記載しなくても効力を発揮させることができます
例としては下記のものがあります。

・事業年度の定め
・役員報酬の定め

任意で記載する内容のため幅も広いですが、
記載した以上は簡単に変更ができなくなるため、定款に記載する際は慎重に検討注意しましょう。

定款認証までの流れ

定款の内容が定まり認証を受けるまでは以下の流れになります。

①認証を受ける公証役場を決める
②公証役場で定款の内容を確認して貰う
③修正などがない場合は認証日の予約をします。
④公証役場で認証を受ける

公証役場を決める

公証役場は様々な場所にありますが、同じ都道府県内であればどの公証役場を選んでも構いません。
定款の認証を受けてそのまま登記申請を行いたいので法務局の近くを選ぶなど、自分に最も合う公証役場を選びましょう。

定款の内容を確認してもらう

認証を受ける公証役場を決めたら電話等で問い合わせをしましょう。
窓口で定款を作成したい旨を伝えればその後の流れをアナウンスして貰えます。
多くの場合、まずFAXやメールで作成した定款を送り内容を事前に確認して貰うことになりますが、公証役場ごとに多少手順が異なる場合があるので指示に従いましょう。

定款の認証に必要な印鑑証明書や身分証明書も事前確認のため定款と併せて求められることがあるため用意しておくといいでしょう。

定款の認証

修正などが全て終わったら、予約の日時に公証役場へ訪問して定款の認証を受けることになります。
持ち物などは事前に教えてくれますが下記の物を持っていくことが多いです。

・認証を受ける定款(三部)※
・発起人全員の印鑑証明書
・身分証
・発起人の実印
・手数料

※定款は会社保存用、公証役場保管用、登記用に三部作成する必要があります
また、三部の定款は全て製本テープを使って袋とじにしておきましょう。
袋とじにせず、ホチキスだけで留めて持っていくこともできますが、
袋とじの場合は製本テープの境目のみに実印を押せばいいのに対し、ホチキス留めの場合は全部のページに割り印をする必要があり手間が多いため袋とじをオススメします。

定款の認証手続きはスムーズにいけば30分程度で終わります

④出資の履行

資本金として定めた額を発起人の名義の口座に入金します。

ただし、入金は定款の認証後に払い込む必要があります
定款の認証→払い込みの流れを守らなければ登記の申請がおりないので注意しましょう。

入金する口座は発起人の既存の口座で構いませんが、資本金の額を新たに口座に入金をする必要があります。
仮に通帳の残高が資本金額以上あったとしても、定款の認証後に新たに振込をして、そのことが通帳の記帳上で証明されている必要があります。

出資の履行の注意点まとめ

・出資金は定款の認証後に振り込みましょう。
・振込の口座は発起人の名義の口座であることを確認しましょう(口座は既存の口座でも構いません)。
・仮に残高が資本金額以上元からあったとしても、必ず定款認証後に振込をする必要があります。

払込が終わったら、登記申請で払込があったことを証明する必要があるため、
通帳の写し(表紙、個人情報ページ、払込が確認できる記帳ページ)のコピーを取っておきましょう。

⑤設立の登記

管轄の法務局に登記の申請を行います。
一から登記申請書を作る場合は登記申請書のひな形は法務局の公式ホームページにてダウンロードすることができるためこちらを使用するといいでしょう。
記載方法なども詳しく載っているため非常に参考になります。

また、法務局では登記相談も受け付けており、申請書の作成方法なども教えてくれるので不明点がある場合は予約をとってそちらも活用してみましょう。

登記申請書の作成がそれでも難しい場合は、登記の専門家として司法書士がいるため、自力での登記申請が難しい場合は依頼するのもいいでしょう。

また、会社の設立登記の審査が終わるまで1週間~2週間程度かかりますが、会社の設立日は審査が終わった時ではなく申請日になるのでこだわりのある方はここにも注意をしましょう。

また登記申請の際は、会社の実印の登録も行うためこちらも忘れないようにしましょう。

設立後の手続き

会社の設立が終わった後の手続きは主に以下のものがあります。

・銀行口座の作成
・税務に関する税務署への届出
・地方税等に関する市区町村などの地方自治体への届出
・社会保険に関する年金事務所への届出
・労働基準監督署へ労働保険等の届出※
・ハローワークへ雇用保険等の届出※
※労働基準監督署とハローワークへの届出は、従業員を雇うなど一定の条件が揃った場合の手続きになります。

届忘れなどのないように、一つ一つ確認していきましょう。

まとめ

会社の設立は一つ一つの手続きはさほど難しくなく、流れとしてはどの会社も大差ないため一人で設立までしてしまう方も多いですが、
初めて株式会社を設立する場合や、役員報酬や融資、税金など不安な悩みを抱える方も多いと思います。
そのため設立の段階から、税理士や司法書士等の専門家に依頼するということも検討してみましょう。

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