トリマーの方のお悩み
トリマー3年目です。
専門学校を卒業して夢だったトリマーの仕事に就きましたが、将来に不安を感じています。
トリマーの仕事自体は大変なことも多く、想像の何倍も疲れる仕事でしたが、やりがいのある仕事です。
でも、今の職場は給料も低くてボーナスもありません。
個人経営の店なので、これから事業を大きくするつもりもないようで、この先も待遇が変わることはないと思います。
夢だったこの仕事を今後も続けていきたいのですが、色々な人からトリマー現状の話を聞くと、トリマーとして食べて行くことに不安を感じてしまいます。
今ではこの不安が段々と別の方向に向いてしまい、仕事どころか犬のことも嫌いになってしまうのではないかと心配です。
退職するべきか、それともこんなものかと割り切って続けていくか、皆様はどのような理由で辞めていくのでしょうか?
ペットの美容を考えるトリマーの仕事は決して楽な仕事ではなく、離職率が高いと言われる仕事でもあります。
華やかに見えるトリマーの仕事はどのような理由で辞めているのでしょうか?
この記事ではトリマーの仕事を辞める理由を実態と共に解説していきます。
Table of Contents
トリマーを辞めたい理由とは?
体力的にきつい
トリマーと聞くと華やかな仕事をイメージしがちですが、実際のトリミングの作業は基本的に立ち仕事なうえ、神経を使う場面も多いため体力面・精神面ともにとても削られる仕事です。
とくに予約が目一杯に入っているときなどは次から次へと作業をこなさなければならず休む暇もないですよね。
また、予約の入りやすい夏の時期や年末にもなれば、残業も長くなり、休みも中々取れないという話もよく耳にします。
そのような環境の中で自分の体力や精神的に限界を感じるという人も多いようです。
純粋な体力の問題の他にも、屈んだり重い備品を運ぶことも多いため、足や腰を痛めるという人もいます。
今はまだ大丈夫でも、これから歳を取ったあとも続けるのは無理だと感じる人もいるみたいですね。
ペットをケガさせることが怖くて辞めたい
トリミングはどうしてもペットの身体に触れて行わなければならない作業のため、ときには暴れるペットの保定を行ったり、動物病院に勤めていれば抵抗力の弱った動物を相手にしなければならないこともあります。
そのうえハサミやバリカンなどを使って作業するため、常にケガや危険は隣り合わせと言っても過言ではありません。
そのため、一つやり方を間違えていたら命の危険に繋がるような場面に肝を冷やしたという経験は、長くトリマーとして活動していれば一度や二度は誰にもあるのではないかと思います。
仮にそのときはケガにはつながらなかったとしても、「あのとき一歩間違えていたら」と、その時の恐怖が仕事中に脳裏をよぎるということもあります。
このような不安や恐怖が積み重なっていくと、動物をケガさせてしまうことへの恐怖で犬に触るのも怖くなってしまって心が折れてしまったという人もいると聞きます。
接客がつらい
トリマーの仕事の本質は接客業です。
お客様へのヒアリングやセールストークを行わなければならないなど、トリミングのスキルと同じくらい接客のスキルも求められるため、対人が苦手という人にとってはそこに辛さを感じる人も多いです。
また、来店するお客様の中には気難しい方もいます。
トリミングという仕事の性質上、お客様が気に入らなかったからと言って元通りにすることもできなく、ましてどれだけお客様の要望通りに仕事を完了しても理不尽に怒られることもあります。
接客業をしていれば誰しもが一度は体験することではあるかもしれませんが、やはりそういったことの積み重ねに耐えられなくて退職を選ぶ人も多いですね。
給料や待遇が悪い
トリミングを行うペットサロンなどはどうしても個人経営などの小規模な店舗が多く、仕事自体も特別な資格に基づくものではないため、平均的な給与が低い傾向にあります。
働いている人の中には、生活費だけでもギリギリという環境の方もいるのではないかと思います。
さらに、そのような規模の小さい店舗の場合は不況などにより倒産などの危険もあるため、そのような環境に不満が溜まっていく人も多く、退職理由としては最も多い理由かもしれませんね。
理想と現実のギャップに耐えられなくなる
トリマーを目指すきっかけの多くは動物と関わることが好きということだと思います。
しかし、トリマーとして働いてみるとその理想と現実のギャップを味わったという人が多いです。
最初に夢見ていたトリマーの姿とは違って、トリミングが次第に作業のようになって行く自分を見て、これでいいのだろうかと頭を抱えた経験はありませんか?
仕事だと割り切らなければいけないのは承知の上だけど、なかなか自分の中で消化しきれず、
最初に思い描いていた理想とはかけ離れた現在に嫌気が差してしまうという方も多いですね。
トリマーに向いていないと仕事に自信が持てなくなる
ここまで紹介して来たように「犬をケガさせるのが恐い」「接客でクレームを受けた」「トリミングがただの作業のように感じるようになってきた」など、トリマーとして働いていると様々な壁にぶつかります。
壁を乗り越えて上達していくと自分に言い聞かせつつも、どこかで「自分にはトリマーは向いていないんじゃないか」なんて答えのない悩みに頭を抱える人も多いです。
とくに失敗が続いたときには余計なことまで考えてさらに自信を失うなんてこともあると思います。
どうしてもそのまま自分に自信が持てずに退職してしまう人もいますね。
トリマーの離職率は高いの?
トリマーの離職率は高く人手不足に悩む施設も多くあります。
退職の理由は上記でも解説した通り仕事自体のきつさや、人間関係もありますが、離職率の高さの原因はなんと言ってもトリマーの待遇の悪さが大きな要因になっていると考えられます。
拘束時間や残業が多いわりに、低賃金で待遇も悪い職場も多く、生活するだけでもギリギリという方も多いですが、
半ばこれが当たり前という認識が業界に広まっている傾向があります。
介護や福祉の業界の人手不足や賃金改善が問題視されてメディアなどでも取り上げられる一方で、なかなか取り上げられる機会も少ないこの業界ですが、最近では賃金の向上に取り組む企業も増えて来ているようです。
業界全体が待遇の改善をしなければ人材の確保が難しくなっていくという意識が高まって行けば、この離職率の高さも減少していくのではないかと思います。
トリマーを辞めた後の転職先
上記のように様々な理由でトリマーを退職していきます。
では辞めた人たちはどのような道を進んでいくのかというと、やはり退職理由は次の転職先を考えるために最も重要な一因となるようで、体力的な問題や事故への不安を抱えて転職する人は、そのような不安の少ない事務職への転職を希望する人もいます。
ですが、やはり別のトリミングサロンや、職種を変えてブリーダーなどに移ったりと、動物に関わる仕事にもう一度転職するという人が最も多いようですね。
また、給与面などに問題があるけれど、今後も動物に関わる世界に携わっていたいと考えている人は、規模の大きな店舗やペット関係の品を販売するメーカーに転職するという人もいます。
トリマーを辞める前に資格を取得しておくのも一つの手
体力や精神的に限界と突発的に辞表を出してしまう方も多いと思います。
何よりも大事なのは自分の身体であるため、これも立派な選択肢です。
しかし、退職したはいいものの、次の仕事が決まっていないことの不安というのは別の意味でメンタルを削られる結果になることも考えられます。
そこで、在職中に資格などを目指して、取得できてから辞めるというのも一つの方法です。
たとえば、今後も動物に関する仕事に就きたいと考えているならば、トリマーの資格だけでなく他の職種を取得してみてもいいかもしれません。
別の記事にて「ペットシッターに関するおすすめ資格」からペットシッターの資格を取得して独立・開業をする方や、
トリマーの資格としては人気の高い「JKC公認トリマー」を取得して今より待遇の良い職場を目指す方もいます。
最近ではペットの高齢化の問題を受けて、動物の介護に関する「ペット介護士」なんて資格も人気ですね。
思い切って全然別の仕事に就きたいという方は簿記や宅建など転職に強い資格に挑戦してみるのもいいですね。
「転職に役に立つ資格」「専業主婦におすすめの国家資格」の記事なども参考にしながら自分に合った資格を考えてみましょう。
まとめ
自分の退職理由というのは次の転職を成功させるための重要なカギになります。
退職を考える理由を一度整理してみることで見えてくるものはきっとありますし、あなたの今後の人生に繋がることになるでしょう。
退職理由を一度見つめ直して、自分に相応しい環境を手に入れられるように応援しています。