行政書士試験での頻出テーマを分野ごとにまとめていきます。
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行政書士試験の民法頻出テーマ
行政書士試験において民法は大きく分けて『総則』『物件』『債権総論・各論』『親族・相続法』の4つの分野別に分けられます。
試験では総則2問、物権2問、債権4問、親族・相続1問の割合で出題されることが多いです。
民法は1,000条を越える条文があるため、端から端まで勉強するのは決して効率的ではありません。
そのため、ある程度頻出テーマに中心に勉強をしていくことが重要になります。
これから各分野別の頻出テーマとポイントをご紹介していきます。
行政書士試験の民法頻出テーマ【総則】
意思表示
意思表示は法律行為を行う上で重要な要素の一つであり、民法の序盤のつまづきポイントです。
意思表示で問題となる心裡留保・虚偽表示・錯誤・詐欺・脅迫は原則と例外、第三者への効果が混同しやすいため、これらを表にして形で覚えると理解しやすくなります。
代理
代理は本人に代わって一定の行為を行う権限を与えて、その効果を本人に帰属させる制度です。
民法総則では非常に重要な分野ですが、登場人物が多くなり複雑になりがちで初学者にとっては混乱しやすい分野ですね。
しかし、代理権をしっかり理解していれば他の分野でもスムーズに理解できるようになる箇所も多いので、代理については徹底して理解するまで勉強をしましょう。
また、代理権は2020年の民法の改正で重要な箇所が大きく変わっており、今まで出題が多かった箇所も多く改正されているため今後の試験の重要なポイントになる可能性が高いでしょう。改正後の知識をよく確認しておきましょう。
時効
細かい数字や知識の暗記と理解が必要なので苦戦しがちですが、出題率も高く重要な科目の1つです。
2020年の民法の改正で時効に関しても改正がありましたので注意が必要です。
消滅時効に関する特例が削除されて以前のように細かい数字の暗記がなくなったり、『中断』や『停止』など言葉として混乱してしまいがちな言い回しを『更新』と『完成猶予』と実際の効果に近いフレーズに変えるなど、これから勉強を始める方にとってはありがたい改正もありますが、既に特例で覚えてしまっている人にとっては過去の知識と混同してしまう可能性もあるので注意が必要です。
行政書士試験の民法頻出テーマ【物件】
対抗問題
事例ごとのパターン分けが非常に細かく複雑なため、一度図にしてみて形として理解するのが一番の早道かと思います。特に177条の第三者の事例はよく出題されるのでしっかりと覚えましょう。
抵当権や留置権などの物的担保の問題や時効の問題など他の分野と深く関わって来るので、先にそちらを勉強してから挑むと理解しやすくなります。
抵当権
普段、馴染みがないと理解するまでがとても難しい分野です。
重要なポイントですが、事例問題が多く登場人物も多くなりがちで混乱しやすい箇所も多いためこれも図にして覚えるといいでしょう。
継続的な取引に対応した『根抵当権』という制度があり、司法書士の勉強になると最重要ポイントになるほどに奥が深いですが、行政書士試験では出題率もそこまで高くないため、あまり深入りしすぎるとドツボにはまる可能性もあるので程ほどの勉強にしましょう。
行政書士試験の民法頻出テーマ【債権】
売主の担保責任
目的物や権利関係に瑕疵があった場合に買主の保護を図るための制度ですが、細かい知識が求められるため混乱しがちな科目です。
私の受験生時代はこの箇所が最も難しく感じました。
細かい知識が多く、色々なパターンごとに分けて覚えなければならないため、何度も表を作っては暗記してを繰り返しました。
用益物権や担保物件の知識も必要になるため、そちらを先に勉強してから挑むと良いですね。
賃貸借
契約各論の中でも出題率も高く重要となる賃貸借。
細かい知識も多いため、消費貸借や使用貸借の知識と混同しないように注意しましょう。
2020年の民法改正で大幅に改正が行われた分野でもあるので、こちらも以前の知識と混同しないように注意しましょう。
まとめ
今回は民法で頻出とされる分野を取り上げました。
もちろん頻出テーマであって毎年必ず出るとは限りません。
しかし、民法は非常に幅が広く全てを勉強するのは効率的ではないため、この記事を参考にしながら自分なりの勉強方針と試験対策を見つけて貰えたら幸いです。
また、2020年に民法は大きな改正があり、上記で取り上げた以外にも大幅に変更されています。
改正箇所は今年度の試験から一部の改正を除いて適用されることになるため、
どの改正が適用されるのか、また以前とはどのように変わったのかを正しく勉強しておかないと、いざ出題されたときに改正前の知識と混同してしまう危険もあるのでよく確認しておきましょう。