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特定行政書士は意味ないってホント?メリットとデメリットを徹底比較

                     
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特定行政書士は意味ないってホント?メリットとデメリットを徹底比較

平成26年から始まった特定行政書士制度ですが、行政書士として活躍している人でも聞いたことはあるけれど普段はあまり馴染みがなく、取るべきか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

この記事では特定行政書士を取ることでどのようなメリットがあるかについて解説していきます。

特定行政書士を取るメリット

特定行政書士になることの最大のメリットとして行政書士が作成した官公署への提出書類の許認可に対して不服申立てができるという点です。

今まではこの不服申立ては弁護士しかできなかったため、行政書士が作成した書類について許可が降りなかった場合は弁護士を頼るしかありませんでした。

自分の作った書類を最後まで責任を負うことができないのは依頼者側からも行政書士側からももどかしい思いでしたが、特定行政書士になることで許認可が降りなかったときのアフターフォローまで担うことができます。

これはお客様側から見ればとても心強いものだと信頼の獲得にも繋がることでしょう。

また、特定行政書士になるためには法定研修を受講する必要があります。

研修では不服申立てに関する知識を修得することができるため、一般の行政書士にはない知識を得て他の行政書士との差別化にもつなげることができますね。

特定行政書士を取っても意味ない?

さて、上記のメリットを聞いて特定行政書士が欲しいと思った方はどれくらいいるでしょうか。

行政書士として活動している人から見ると「悪くはないけど・・・」と言った印象を抱いた人も多いのではないかと思います。

実際に行政書士の先生方からは特定行政書士は必要ないかなと言う声を上げる人も多く、中々普及していないのが現実です。

特定行政書士の受験者と合格者数
実施年度 受験者 合格者
令和元年 437 312
平成30年 467 319
平成29年 617 399
平成28年 1,173 766
平成27年 3,517 2,428

弁護士の業務だったものができるようになる画期的制度にしては、近年の受験生の少なさに驚いたのではないでしょうか。

メリットしかない特定行政書士のはずなのになぜ普及しないのかというと、不服申立てをしなければならない場面があまりないからに尽きると思います。

たしかに今まで弁護士にかかる範囲だった業務が行政書士にもできるようになるのは、ありがたい話です。
行政書士は業務範囲の問題で一部の手続きができないためにもどかしい思いをしたという経験を持つ人も多いと思うため、行政書士からしてみれば非常に良い傾向ではありますね。

しかし、不服申立てについては使える場面が限られているのが現実で、もしこれが商業登記をできる権利であったならば非常に多くの希望者がいたと思います。

仕事を増やしたいと思って特定行政書士を取るとがっかりするかもしれません。

ただし、特定行政書士を取っておくことでいざとなった時でも対応できるのは間違いありません。

また、上記のメリットでも述べた通り、特定行政書士になるためには仮に業務に繋がらなかったとしても、特定行政書士になる課程の法定研修では不服申立てに関する知識を学習することができます。

特に平成26年度より行政不服審査法・行政手続法は改正されています、法定研修では再度行政不服審査法の研修などがあるため、平成26年度以前に行政書士試験に合格した人は、自分の知識の更新と思って受けてみるのもいいかもしれませんね。

特定行政書士になるには

ビジネス

特定行政書士の制度は平成26年に行政書士法の改正に伴い成立した比較的新しい制度です。
特定行政書士は行政書士が作成した官公署に係る提出する書類に係る許認可に対して『不服申立て』を行うことができるようになりました。

不服申立てとは、行政が行う処分に対して不服のある者が、行政機関に対して不服を申し込むことで、行政の判断に違法性や不当性がなかったかを審査してもらい是正を請求する手続きを言います。
行政書士は今まで官公署に提出した書類の申請が通らなかった場合でも不服申立てができなかったため、不服申立て手続きをする際は弁護士などに依頼しなければなりませんでした。
しかし、特定行政書士であれば不服申立てについても代理をすることができるようになるため、一連の手続きをワンストップで行うことができます。

しかし、特定行政書士は誰でも申し込めばなれる訳ではなく研修や考査を合格しなければなりません。
具体的にはどのような手順を踏んでいくのかをこの後解説していきたいと思います。

特定行政書士になるための3ステップ
1、行政書士名簿に登録をすること
2、特定行政書士法定研修を受講すること
3、考査に合格すること

参考サイト:特定行政書士特設サイト

①行政書士会の行政書士名簿に登録されていること

まずは行政書士試験に合格して行政書士名簿に登録されている必要があります。
基本的にこの名簿に登録されている者を行政書士と呼ぶため、行政書士試験に合格しただけではなく、行政書士会へ登録申請をしなければ特定行政書士にはなれません。
ただし、登録は無料ではなくに登録免許税、登録手数料、入会金などを含め25万~30万程度の費用が必要になります(都道府県や活動形態により金額が異なります)。
そのため特定行政書士になるためだけに登録するという人はあまりいなく、試験合格後に本格的に行政書士として活動する予定の人が行政書士名簿に登録するというのがほとんどで、行政書士業務の延長線上として特定行政書士になる人が多いですね。

行政書士の登録の詳細については以下の記事を参考にしてください

②特定行政書士法定研修を受講していること

名簿に登録されている行政書士は特定行政書士の法定研修を受講することができるようになります。
特定行政書士になるためには必須の講習となるため、ここで特定行政書士の基礎を学習しましょう。
法定研修は1年に1度実施されており、費用はテキスト代込みで8万円です。

研修内容

研修は合計18時間(1コマ1時間×18コマ)行われ、研修科目は以下の通りです。

研修科目
・行政法総論:1時間
・行政手続制度概説:1時間
・行政手続法の論点:2時間
・行政不服審査制度概説:2時間
・行政不服審査法の論点:2時間
・行政事件訴訟法の論点:2時間
・要件事実・事実認定論:4時間
・特定行政書士の倫理:2時間
・総まとめ:2時間

③考査に合格すること

研修の受講後の考査を受験して合格することで特定行政書士になることができます。
考査の試験内容は研修で受講した科目の理解を確認する内容で、全問マークシート方式で行われ、30問択一式で出題されます。
合格点は大体6割程度とされています。

特定行政書士の難易度は?

法定研修の受講は行政書士に登録していれば誰でも受講できるため、難易度の問題となるのは考査の部分になります。

考査の合格率は6割~7割程度であることが多く、

行政書士試験と違って記述式問題がないため多少は気は楽かもしれませんが、研修を受けたからと言って誰でも受かる試験という訳ではないため、きちんとした予習が必要になります。

また、考査に落ちてしまった場合研修を受講した年度を含めて3年間は半額で研修を再受講することができ、考査のみ受けたい場合は翌年は無料で受験することが可能です。

特定行政書士の合格率は?

特定行政書士の合格率は以下のようになっています。

年度 合格率
令和元年 71.4%
平成30年 68.3%
平成29年 64.7%
平成28年 65.3%

例年70%前後を維持しています。

上述した試験の難易度を踏まえると、まったく対策せずに挑めば落ちますが、しっかりと試験対策を怠らなければ十分合格を狙えるレベルと言えますね。

行政書士試験に合格して、知識が古くならない内に挑戦することをおすすめします。

 

特定行政書士のおすすめ過去問は?

特定行政書士の考査の対策に関する書籍は、あれだけたくさんあった行政書士試験と違って非常に少なくなっています。

受験者数の違いなどを考えると仕方のないことですが。

そんな数少ない書籍の中で私が特におすすめするのが「特定行政書士法定研修考査合格対策」です。

基本的な内容はしっかり網羅されており、まだ歴史も浅い過去問からのデータを分析して出題傾向などを教えてくれるので非常に分かりやすく、総合模擬問題演習では本番に近い形で問題を経験できるため、考査のための演習としては非常に優秀な一冊です。

 

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