行政書士の勉強をしているとき、こんなお悩みを持ったことはありませんか?
この記事では、行政書士試験の勉強時間の目安と、効率的な学習方法を解説していきます。
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行政書士を独学で挑戦したときの勉強時間の目安は?
行政書士の勉強時間の目安は600時間~700時間程度と言われています。
これは国家試験の中では中間より少し難しい程度の位置づけですが、士業と呼ばれる資格の中では比較的簡単な部類に入ります。
実際に他の士業と比較してみましょう。
資格名 | 平均勉強時間 |
---|---|
宅建士 | 300時間 |
行政書士 | 600時間 |
社労士 | 1,000時間 |
中小企業診断士 | 1,000時間 |
司法書士 | 3,000時間 |
このように有名な宅建士よりかは難しいけれど、比較されることが多い社労士や司法書士よりかは簡単なレベルです。
難易度の目安としてはこの勉強時間が妥当な位置づけだと思います。
もちろん、この勉強時間は目安であるため、600時間勉強したから絶対に行政書士になれるという訳ではありません。
勉強の工夫次第で半分程度の勉強時間で合格することも可能ですし、下手をすれば倍の時間をかけても合格できない人もいます。
合格に大切なのは600時間の勉強時間を目指すのではなく、いかに効率良く学習を進めるかです。
独学で行政書士に挑戦したいけど、どうやって勉強したら良いのか不安と言う方は以下の記事が参考になります。
独学の初心者におすすめのテキストも紹介しているためぜひ参考にしてください。
-
行政書士テキストのおすすめを徹底比較【2022年度版】
続きを見る
行政書士は最短でどれくらいの勉強時間で合格できる?
さて、上記では平均的学習時間は600時間程度とご紹介いたしました。
これはもちろ目安であるため、実際にはこの通りでないという人も多いです。
これはあくまで私が調べた最短での勉強時間ですが、1日2時間で3か月、約180時間程度で合格した方がいました。
この方の場合は以前宅建を勉強していたため、民法に馴染みがあったとは言え私の知る限り最短の勉強時間の合格者です。
勉強方法を聞いてみたところ、
「試験までの勉強時間が足りないのは分かっていたから、民法と行政法だけを徹底して勉強して、記述式だけは絶対に満点が取れるようにした。満点ではなく合格ラインだけを徹底して目指した」
と言っていました。
時間がないため、商法などを捨て科目とする戦略を取る人もいます。
勉強時間に余裕がある人はわざわざこの方法を取る必要はありませんが、このように自分の現状を踏まえた上で180点を取るためにどうしたらいいだろうと逆算して勉強プランを立てておくと、効率的な勉強を行うことができますね。
600時間勉強しても合格できない人の特徴は?
もちろん、勉強時間はあくまで目安のため、どれだけ勉強しても合格点に届かないという人も多くいます。
そのような方はこのようなやりがちなミスを犯していませんか?
- 記述式に自信がない
- 過去問を解かずにテキストを読んでばかりいる
- 複数のテキストを使っている
- 古いテキストを使っている
- 勉強方法を最初から何も変えていない
行政書士試験はがむしゃらに勉強していれば合格できる試験ではありません。
かと言って絶対合格できる正しい勉強法もないです。
上記の理由は合格した人が特に気を付けているポイントです。
もし得点に伸び悩んでいて上記に心当たりがあるという方は改善してみましょう。
上記に当てはまる方は、以下の記事にて対策方法を解説しているため、ぜひ参考にしてください。
-
行政書士試験に受からない人と受かる人の違いは?
続きを見る
行政書士の勉強はいつから始めればいい?
行政書士の勉強は遅くても1年前から始めましょう。
テキストや通信講座は前年度の行政書士試験の前後辺りに次年度向けの最新のものに切り替えられます。
そのため勉強を始めるタイミングとしては丁度いいですね。
1年前であれば、1日2時間勉強すれば、単純な計算ですが「2時間×365日=730時間」の勉強時間が確保できることになり勉強時間の目安としてはおつりが来ます。
もちろん、2時間の勉強時間を確保できない日もあると思いますが、休日を使って足りない勉強時間を補うことが可能な期間です。
注意ポイント
たまにネットで「行政書士試験は半年で合格可能!」なんて言葉を見かけますが、これは元々他の資格で法律に軽く触れていたり、よほど勉強慣れしている人が言っているケースが多いです。
間に受けて本当に半年前から勉強を始めた結果、特別な対策もなく合格できた人を私は見たことがありません。
勉強を始める前に行政書士の勉強スケジュール表を作ろう
さて、ここまでは行政書士の勉強時間について解説してきました。
しかし、この勉強時間よりもさらに大切なのは、「勉強時間の配分をどうするか」、
つまり、勉強スケジュールを組み立てて勉強することが重要になってきます。
この勉強時間の配分次第では600時間よりも遥かに短く合格することも可能です。
逆に、何も考えずにテキストの端から端まで勉強していても、残念ながら600時間での合格は難しいでしょう。
なぜ、これほど勉強時間の配分が重要になるかと言うと、行政書士の試験は科目ごとに重要度が異なって来ることが大きな原因の1つです。
まずは行政書士試験の科目ごとの配点を見てみましょう。
行政書士に関係する法令 | ・基礎法学 | 択一式 | 8点 |
---|---|---|---|
・憲法 | 択一式 | 20点 | |
多肢選択式 | 8点 | ||
・民法 | 択一式 | 36点 | |
記述式 | 40点 | ||
・会社法 | 択一式 | 20点 | |
・行政法 | 択一式 | 76点 | |
多肢選択式 | 16点 | ||
記述式 | 20点 | ||
一般知識 | 政治・経済・社会、 情報通信・個人情報保護、 文章理解 |
56点 | |
合計 | 300点 |
赤字で記載した民法と行政法は憲法や商法と比べて得点の比率が高く、記述式も用意されているため、重要度は高いと言えます。
一方で商法・憲法などは配点も低く、記述式もありません。
しかし、商法や憲法が簡単だったり、学習範囲が狭いのかと言うとそんなことはありません。
むしろ、商法が一番難しいという人もいるくらいです。
ちなみに、配点の低い商法を完全に捨てて得点を稼げる行政法や民法に力を入れて得点を稼ぐ方法を取る人もいます。
勉強時間が少なかったり、考えた上で戦略的に行うならば十分あり得る選択肢だと思いますが、楽そうだからと言う理由ならばこの方法は取らない方がいいでしょう。
その理由や、商法の対策については以下の記事を参考にしてください。
-
商法を捨てる方法で行政書士試験に挑んでも合格はできる?
続きを見る
上記のように商法を捨てるとまではいかなくても、難易度が高く配点が低い商法と、配点が高い民法などを同じだけ勉強するのははっきり言って非効率です。
効率的な勉強の為には科目ごとの優先度を見極めて、学習スケジュールを正しく組み立てて勉強することが大切です。
勉強スケジュールは自分のできる学習時間や本番までの時間を考えて組み立てることが理想ですが、初めて行政書士試験に挑戦する方のために実際に私が立てた勉強スケジュールをご紹介します。
勉強スケジュール例
平均勉強時間:1日2~3時間
勉強期間:半年
学習開始からの期間 | 学習内容 | ポイント |
---|---|---|
1か月目 | 基本書(民法・行政法) 過去問:択一式(民法・行政法) |
まずは民法と行政法の基礎知識を、テキストを徹底して読み込んで学習する。 勉強の終わりには必ず過去問で復習。 |
2か月目 | 基本書(民法・行政法) 過去問:択一式・記述式(民法・行政法) |
民法と行政法の勉強に絞るのは前月と同じだが、過去問メインの学習にしていく。 同時に記述式の過去問も解き始める。 |
3か月目 | 基本書(憲法) 過去問:択一式・記述式(民法・行政法・憲法) |
民法・行政法のテキストは過去問で分からなかったところや疑問点があった時に戻る程度にしてひたすら過去問を解く。 また、この辺りから憲法の学習も始める。 |
4か月目 | 基本書(憲法・商法) 過去問:択一式・記述式(民法・行政法・憲法) 一般知識対策 |
民法と行政法は過去問を解きつつ弱点を徹底的に潰していく。 商法・一般知識の対策を重要論点に絞って始める。 |
5か月目 | 模擬試験 過去問:択一式・記述式(民法・行政法・憲法・) 一般知識対策 |
予備校などで行っている模擬試験を受験しつつ、前月と同じように弱点の対策を行っていく。 また、記述式の対策にかなりの力を入れた。 |
6か月目・直前期 | 総復習 横断的過去問対策 | 細かい知識の確認を過去問を解きつつ最終調整を行う。 |
実際には科目内の分野別に1日ごとの細かいスケジュールを立てていましたが、大枠はこのような感じになります。
常に民法と行政法を中心に勉強しつつ、それ以外の科目をスキマ時間を使ってローテーションで重要範囲に絞って勉強するというのが私の基本的な学習方法でした。
そのため、商法については、重要分野のみに絞って、それ以外の箇所はまったく勉強しておらず、憲法も同じような感じです。
このように、勉強時間などを考慮しつつ、配点や重要科目を比べながら、どの分野にどれだけ力を入れていくかを考えることで勉強スケジュールを作成することをおすすめします。
まとめ
最後に今回の記事の要点をまとめさせていただきます。
- 行政書士の勉強時間の目安は600時間程度
- 最短ならば3か月程度で合格している人もいる
- 効率的な学習の為には勉強スケジュールを作ってから始めるのがおすすめ
行政書士試験を独学で合格したいけれど、勉強をどう進めるべきか分からない。
独学での勉強のコツを掴みたいという方は以下の記事を参考になります。
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行政書士を独学で合格するのは無理じゃない!合格テクニックをご紹介
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