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行政書士試験の記述式を捨てるのはアリ?

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行政書士試験の記述式を捨てるのはアリ?

行政書士試験の合格の重要なカギを握るのが記述式問題です。

記述式問題は配点も高く合格のカギを握るのは間違いないですが、
与えられたお題に対して40文字以内の文章で解答しなければならず、毎年3問しか出題されないため、どこから出題されるか対策を立てにくいというのもありますが、苦手意識を持っている受験生も多いですね。

いっそのこと記述式を捨てようかと考えている人もいるようです。

そう考えている人はぜひこの記事をご覧ください。

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行政書士試験の記述式を捨てるのはアリ?

疲れ

行政書士試験の勉強をする人の中には記述式を苦手とする人も多いですね。

記述式はマークシートとは趣旨が異なるうえに、対策を立てようにも3問しか出ないためヤマを張りにくいということもあり、記述式の対策をせずに行政書士試験に挑もうか悩む人も多く、記述式を捨てようと考えている人の理由を纏めると多くが以下の3つの理由でした。

記述式を捨てようと考える理由3選

①マークシート問題の民法と行政法の勉強と対策は十分行えているため、あえて記述式を勉強しなくてもある程度は得点できると考えている。②記述式で得点を取れなくてもマークシート問題で十分合格圏まで得点できると考えている。③記述式は3問しか出題されないため、記述式の勉強をしても勉強した場所から出題されるか分からないため。

 


上記の理由に当てはまる場合、絶対に記述式を捨ててはいけません。

 

別の記事で商法を捨て科目にするのはアリか?というテーマで書き、記事内でも説明しましたが苦手で得点が望めそうにないため、捨て科目を作って他で得点を稼ぐというのも立派な試験戦術だと思います。

しかし、行政書士試験の記述式に限っては、捨ててはいけない危険な理由があるのです。

 

その理由を説明するため、まずは行政書士試験の全体の配点をご覧ください。

行政書士に関係する法令 ・基礎法学 択一式 8点 2問
・憲法 択一式 20点 5問
多肢選択式 8点 2問
・民法 択一式 36点 9問
記述式 40点 10問
・会社法 択一式 20点 5問
・行政法 択一式 76点 19問
多肢選択式 16点 4問
記述式 20点 1問
一般知識 政治・経済・社会、
情報通信・個人情報保護、
文章理解
56点 14問
合計 300点 60問

 

行政書士試験で記述式の配点は300満点の内で60点を締めます。

 

配点は高いですが、記述式には足切りがなく、記述式を1点も取らなくても240点あれば合格基準である180点には届きます。

また、記述式は適切な語句が上手く入っていれば部分点も貰えるため、マークシート問題が合格圏内に届くくらいなら記述式も部分点をもぎ取ることはできるでしょう。

 

そのため記述式の対策を捨てようかと考える気持ちはたしかに分かります。

 

しかし、この考え方こそが非常に危険なのです。

 

マークシート問題の対策だけで取れた部分点というのは、正答率も高く他の受験生も同様に得点できている箇所である場合が多いです。

行政書士試験というのは上手にできていて、180点にギリギリ届くかどうかというところで落ちている人の数が非常に多いです。
あと1問取っていれば合格できたのに」そんな人も多いです。

 

これは試験問題作成のプロが答えやすい問題と答えにくい問題というのをバランスよく調整しているからだと考えられます。

つまり180点の壁を越えられない他の受験生が得点できないが、対策次第で十分正解できる箇所で得点をいかにもぎ取るかにかかっているのです。

そのため、配点が高く、対策次第で部分点で得点を取れる記述式でどれだけ他の受験生も周りと差をつけられるかが非常に重要となるのです。

 

実際に、行政書士に合格している人の多くは記述式こそ重点的に対策を立てている人が多いと聞きます。
よく、試験合格者から聞くのは、「マークシートだけ解けても記述式は解答できないけど、記述式が解ける人はマークシートも解ける」です。

なぜこのように言われるのかと言うと、記述式が解ける人というの法令等をしっかり理解しており、記述式の解き方を理解しているからです

一方でマークシートは理解していなくてもある程度の暗記で解答できる問題も多いためこのように言われることが多いのでしょう。

もちろん、マークシート問題の対策だけしていても部分点である程度得点できると思います。
しかし、そのような箇所は180点の壁を越えられない他の受験生も同じくらいの部分点を取っていることが多いです。

 

記述式は3問しか出題されないため、勉強した分野が出題されなければ勉強が無駄になると過去問等の対策が疎かになりがちな人も多いですが、それでもある程度は記述式の過去問を解いておくべきです。

下記の記述式対策で詳しく述べますが、仮に記述式の練習をした箇所から出題されなかったとしても記述式をある程度練習しておくことで記述式の解き方の枠組みが頭の中にできますし、法令の理解に繋がるためマークシート問題の得点アップにも繋がります。
そのため、記述式の勉強こそしっかりと対策を立てることをオススメ致します

 

記述式の対策方法は?

 

記述式の重要性はここまで書いてきた通りですが、記述式の対策が難しいというのも事実です。

 

行政書士の記述式問題は1問20点満点で民法から2問、行政法から1問出題され、合計60点の配点があります。
合格のためにはある程度の得点が必須となる重要課題ですね。

ですが、択一式が選択肢の中から正解を選ぶだけなのに対して、記述式は「問題の事例を読み解いて法令や判例に当てはめて自分の文章にする」という難易度の高い回答をしなければならず苦手とする受験生も多いです。

 

また、択一と異なり記述式は民法と行政法の幅の広い出題範囲の中から3問しか出題されないため、頻出テーマも絞りづらく勉強しても手ごたえを感じにくいという特徴もあります。

上記の理由に加えて記述式は択一式を勉強すれば自然と得点も上がっていくため、記述式の対策はをせずに本番に挑もうという人も多いです。

しかし、こうして記述式の対策を怠った人の多くは試験本番になってみると以下のような壁にぶつかり思ったように点数が取れないケースも多いです。

記述式のよくある失敗

  • 自信がないテーマから出題された
  • 頭ではなんとなく分かるのに、上手く用語が出ずに文章にできない
  • 40文字でまとめきれない

 

配点の大きな記述式で一問でもこのような壁にぶつかり得点を逃すのは非常に大きなリスクですよね。

ですが、後回しにされがちな記述式の対策をしっかりとして挑めばこのような失敗も回避できる可能性はグンと上がります。

 

では、どのように記述式を対策すればいいのでしょうか?

過去問を解く際に以下の点に意識するだけで過去問の解答力はグッと上がります。

①読む力と書く力を鍛えること
②重要論点をピックアップする力を身に付けること

 

対策①読む力と書く力を鍛えよう

記述式で重要なのは何よりもまずは「読む力」と「書く力」です。

記述式の練習をせずに、知識だけで解こうとすると「40文字まで足りなかった」「40文字ではまとめきれなかった」なんてことになる人も多いです。

このような悩みを持つ人はまずは記述式の問題を実際に書いて解くことで慣れることが大切です。

 

記述式に慣れて解答文章の作成のやり方が分かっているか分かっていないかだけで、記述式を解く力というのは段違いです。
まずは過去問などを実際に解いてみましょう。

また、過去問を解く際は頭の中だけで解答せず、実際に文章にして書くようにしましょう

 

対策②重要論点をピックアップする力を身に付けること

問題集を解く際に答えだけを見てそのまま次の問題に行ってしまうことはありませんか?

記述式は重要なワードが適切に解答に入っていることが得点のコツです。

そのため、マークシート問題の過去問を解いているときなども、解説や理由と根拠を考えるようにしましょう

手間かもしれませんが、これをやるかどうかで記述式はもちろんマークシート問題の正答率も段違いに変わって来ます。

なぜなら、暗記した知識だけで記述式を解こうとすると、どこが重要なワードなのかというのが分からなくなってしまうことが多いためです

ぜひ以下の記述式のポイントや注意点を参考にして記述式の対策をしてから試験に臨みましょう。

行政書士の記述式におすすめの問題集は?

 

過去問を解く際はどんな問題集を使えばいいのでしょうか。

各問題集には記述式の過去問も掲載されていますが、それとは別に記述式専用の問題集を購入するのもおすすめです。

 

記述式の問題集は、総合問題集よりも記述式にフォーカスされており、より細かい解説が入るため、過去問への対策も立てやすくなっています。

そこで、当サイトではオリジナル問題を豊富に掲載しており、記述式の解答テクニックを身につけやすい以下の2冊をおすすめしています。

 

書籍名 みんなが欲しかった!行政書士の40字記述式問題集 出る順行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集
出版社 TAC] LEC
表紙 行政書士40字記述式問題集 出る順行政書士40字記述式
特徴 オリジナル問題に加えて、
40字以内で解答できるための「解法マニュアルが特徴」。
マニュアルに従って解答することで安定した解答が作成可能のため記述式のコツをつかみやすい
オリジナル問題120問以上掲載のため実践的な対策ができることに加えて、記述式へのアプローチ方法も掲載しているため、記述式の重要ポイントを見抜く力を養える。

 

記述式の注意点

記述式で陥りがちな失敗やミスをおかさないよう以下のポイントも意識しましょう。

注意点①勉強の際は択一式でも解説まで読んで理解しよう

記述式は簡単な事例を法律の知識に当てはめて解答する問題です。

択一式の知識だけでもある程度は解答できると思いますが、記述式では択一式の知識より深い知識が求められ、事例に法令や判例を当てはめて文章にする能力が求められます。
そのためどのようなときにどのような法律が適用されて効果を発揮するのか、いわゆる「法律要件」と「法律効果」を正しく理解することでより正確な回答をすることができます。

過去問を解いている際には、正解した問題の解説などは読み飛ばしがちですが、そのような問題こそよく解説を読んで正解できるだけではなく理解できるまで読み込むように心がけましょう。

 

注意点②過去問は実際に書いてみよう

 

記述式の過去問を解く際、書いてしまうと問題集が使えなくなってしまうからと頭の中で漠然と回答して、答え合わせをする人がいます。
これは絶対にやってはいけません。

行政書士試験の記述式は他の試験とは異なる特殊な作りになっていて、解答を40文字以内にまとめなければなりません。
しかし、この40文字にまとめるというのができずに苦戦する受験生は多く、「書いたけど40文字をオーバーしてしまった」「書いてみたけど全然40文字に足りない」となる人が多いのです。

これは40文字以内に文章をまとめるという、普段はあまりやらないために来る弊害です。

記述式を実際に書くというのは、そのテーマの勉強だけでなく、記述式を回答する練習でもあるのです。

また、解答の文章を書くのはもちろんですが、出題された事例を図にしてみることも大切です。
記述式の問題は登場人物も多く複雑になりがちなため、図にすることで頭の整理にも繋がるため、常日ごろから記述式をまずは図にしてから文章を書くという練習を心掛けましょう。

 

注意点③普段から書く練習をして漢字間違いには注意しましょう

 

記述式は必ず漢字で回答しましょう。
しかし、法律用語は普段中々使用しないような漢字が多く使われるため、普段からノートなどに書いていないといざ漢字で書いてみようとしても本番では中々書けないものです。

特に法律用語は普段使わないような漢字が多く使われ、紛らわしい用語も多いです。
例えば「心裡留保を心理留保」や「被保佐人を被補佐人」なんて書いてしまったりするケースは多いですね。

頭ではなんとなく分かっていても、いざ書こうとすると出てこないなんてことも多いため、日ごろから書く練習は心掛けましょう。

記述式の解き方

記述式を解く際にとりあえず書いてみようとする人がいますが、回答をする際は以下の手順とポイントを抑えつつ文章を組み立てることでより確実な文章を書くことができます。

記述式を回答するための手順

  1. 問題の論点を考える
  2. 事例や人物関係を図にする
  3. 重要キーワードを抜き出す
  4. 文章にする

一つずつ確認していきます。

①問題の論点を考える

まず問題文を確認したら文章の中から「どの分野の問題なのか」「何が論点なのか」を把握しましょう。

択一式は問題文や選択肢を見れば一発でどの分野から何が問われているか分かるかと思います。
ですが記述式はまず初めにど何を問われているのかを見極めることが重要なポイントになります。

そのため②の図にするなどを用いて論点を明確にしてから先に進むようにしましょう。

 

②関係を図にする

記述式の問題は択一式よりも複雑な知識が問われるため、パッと読んだだけでは問題点が分からないことも多いです。

そのため記述式を解く前に必ず登場人物の相関図を作りましょう。
図を作成することで視覚的にも問題点を抜き出しやすくなり論点が分かりやすくなります。

 

③重要キーワードを抜き出す

記述式は問いに完璧に回答できていなくとも、重要なキーワードが入っていれば重要度に応じて部分点を得ることができます。

逆に重要なワードが入ってなければ、いかに良い文章を書いても得点を得ることはできません。
そのため、まずは文章を書く前に重要なワードを3つほど抜き出してみるところから始めましょう。

④文章にする

最後に重要ワードを組み込みながら、いかに問題に相応しい文章を作成するかです。
文章は40文字程度に納めなければならないため、キーワードを入れつつ簡潔な文章になるように練習をしておきましょう。

 

行政書士の記述対策はいつから始めればいい?

 

受験生の多くを悩ませるのが記述式対策を始める時期ですね。

 

これについては、民法と行政法のテキストを一周したらすぐに始めるのがベストだと思います

 

記述式の対策なんて意味ないという人は、試験の1,2か月前に軽く記述の過去問を解く程度にして後回しにする人もいます。

 

しかし、記述式を解くと言うのは、細かい知識まで思い出しながら、色々な知識を組み合わせて解答するため非常に効率的なアウトプットの方法でもあります。

さらに、あらかじめ解答が用意されている短答式よりも、一から解答を考えるため、自分の理解度を把握するのにも非常に役に立つでしょう。

早めに始めることで、自分の理解力や弱点を早めに補うこともできるため、苦手意識が多く、後回しにしてしまいがちな記述式の対策ですが、ぜひとも早めに取り組むことをおすすめします。

 

記述式の民法の出題傾向

民法の過去10年分の出題科目

2011年 総則 表見代理と使用者責任 物件 代価弁済と抵当権消滅請求
2012年 債権総論 検索の抗弁 相続 遺留分減殺請求
2013年 民法総則 無権代理人に対する責任追及 物件 盗品の回復
2014年 債権総論 詐害行為取消権 債権各論 解除権
2015年 物件 占有の性質の変更 親族 嫡出否認の訴え
2016年 債権各論 売主の担保責任 親族 離婚に伴う財産分与
2017年 債権総論 債権譲渡禁止特約 債権各論 不法行為に基づく消滅時効
2018年 民法総則 制限行為能力者 債権各論 書面によらない贈与
2019年 物件 共有 債権各論 第三者のためにする契約

債権からの出題が多い傾向がありますが、どの分野からも広く出題されていることが分かりますね。
また、親族・相続の分野からの出題も見られます。
例年の択一式では親族・相続は1問のみが出題されるため、物件や債権よりも勉強が不十分で挑む受験生も多く、記述式で出題されて泣いた受験生というのも多いです。

また、親族法が2年連続で出題されたこともあるため、前年度出題されたから勉強しないというのは通用しなくなったため、親族法などもしっかりと対策を立てるようにしましょう。

記述式の行政法の出題傾向

行政法の過去10年分の出題科目

2011年 行政法総論 即時強制
2012年 行政事件訴訟法 形式的当事者訴訟
2013年 行政事件訴訟法 狭義の訴えの利益を書く場合の判決
2014年 地方自恃法 公の施設
2015年 行政事件訴訟法 原処分主義
2016年 行政法総論 秩序罰
2017年 行政法総論 行政処分に対する民事上の強制執行
2018年 行政事件訴訟法 申請型義務付け訴訟
2019年 行政手続法 行政指導に対する申出制度

全体的に行政事件訴訟法からの出題が多い傾向にありますね。
行政事件訴訟法は択一式でも重要なテーマとなるため普段から勉強をしているという人も多いですが、非常に複雑なテーマでもあります。
そのため理解も曖昧になってしまい、択一式はなんとか正解できても記述式で出題されたとたん回答できなくなってしまうという人も多いため、択一式の過去問を解く際も「なぜこうなるのか」を考えながら解くようにしましょう。

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