・行政書士で食べて行くのは厳しい?
この記事ではこんなお悩みを解決いたします。
この記事でわかること
- 行政書士の仕事の実態
- 行政書士を辞めてしまう理由
Table of Contents
行政書士の仕事はきつい?
ネットなどを見ると「開業して年収1,000万円も可能」など魅力的な言葉も多く飛び交っていますが、これも決して嘘ではなく、資格を取って独立開業をして儲けている行政書士というのも十分います。
ですが一方で、大変な行政書士の試験を乗り越えて開業したにも関わらず、その仕事の厳しさから辞めて行ってしまう人も多くいます。
高収入を得る行政書士もいれば、厳しい状況に耐えられずに3年経たずに辞めてしまう人もいる行政書士の仕事の実態はどのようなものなのでしょうか。
行政書士の仕事がきついと感じて辞めて行ってしまった理由を次でご紹介いたします。
①仕事がない
行政書士の業界はすでに多くの行政書士たちが活躍しており、特に都市部では多くの行政書士事務所がひしめき合っています。
そのため、これから行政書士として活動していくためには、地道な営業活動が必要になるでしょう。
営業の方法は人によって様々で、「ネット集客」や「同じ士業の先生と交流を多く持って、その先生から顧客を紹介して貰う方」、「飛び込み営業をする方」もいます。
これらの営業の結果、とんとん拍子に上手く行く人もいますが、なかなか営業の成果が出なかったり、ときには営業先で邪険に扱われたなんてこともあるでしょう。
特に今まで営業経験のない方にとっては営業の方法から手探りで進んで行かなければなりません。
行政書士としての知識は十分なのに、営業がなかなかうまく行かず、成功する前に心が折れてしまった人や、営業をしても仕事に繋がらず収入の問題で廃業をしてしまうという話はよく聞きますね。
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行政書士に飛び込み営業は必要?
行政書士として開業したならば、お客さんを獲得するために営業が必須となります。
企業などに直接乗り込んで仕事を得る飛び込み営業が必要なのかと言う質問を聞きますが、これについては「やれば仕事が貰える可能性はあるが、やらなくても営業方法はたくさんある」というのが一つの答えだと思います。
私の周りでも飛び込み営業で仕事を獲得してくる猛者もいますが、その過程では名刺を目の前で破られたり、邪険に扱われたりとかなりきつい扱いを受けることも多いようです。
ですが、このような飛び込み営業以外にも、ネット営業や、チラシ配りの営業などいくらでも仕事を取る方法はあります。
行政書士として成功するために必ずしも飛び込み営業は必要ではないので、その点はご安心ください。
②仕事のプレッシャーがきつい
行政書士は独立・開業向けの資格とも呼ばれており、資格を取ってすぐに開業を目指す人も多いです。
しかし、行政書士試験では行政書士の実務的な知識は扱っていないため、未経験で独立開業を目指す人は自分で実務を勉強していく必要があります。
勉強方法は色々とありますが、行政書士の業務は一説によると2,000種類以上の業務があるとされているため、勉強したとしても、その勉強が役に立つ依頼が来るとは限りません。仕事の依頼が来てから手探りで進めていくなんてこともざらにあります。
ですが、業務のやり方に完璧な正解というものはなく、実際に仕事を引き受けたものの、「本当にこのやり方で大丈夫なのだろうか?」と答えの見えない日々に、不安や責任のプレッシャーに頭を抱える方も多いです。
経験を積んで慣れていけば自分のやり方に自信が伴ってそんな悩みも落ち着いていくと思いますが、それまでは実務の勉強を繰り返して正解にたどり着くしかありません。
実務の勉強方法については『行政書士の未経験者でも実務経験を学ぶ方法』を参考にしてください。
③仕事がなくなることなど将来性に不安を感じる
どの業界にも言えることですが、行政書士の業界は常に顧客の奪い合いです。一度軌道に乗ってしまえば一生安泰なんてことはまずありえません。
さらに、行政書士は将来的にAIに仕事を奪われるなんて噂もあります。
実際に今までも電子申請が導入されて行政書士の手が必要なくなったという企業はすでに存在しており、今後ますますそのような業務は増えて行くと予想されます。
ただでさえ、競合が激しい業界にも関わらずこれ以上AIに仕事を奪われればますます仕事は安定しなくなるでしょう。
明日にはひょっとしたら仕事がなくなるかもしれない。そんな漠然とした不安が募ってそんな不安に耐えられずに転職をしてしまう行政書士もいます。
AIに仕事を奪われないためには、AIにも他の行政書士にも負けない自分だけのアイデンティティーを確立していくことが重要となりますね。
余談ですが、行政書士の将来性に不安を感じるもう一つの理由として、行政書士の求人の少なさがあります。
行政書士の資格は独立・開業には向いていますが、転職には不向きな資格であるため、潰しが利きにくいというのも1つのデメリットですね。
行政書士の求人や就職先が少ない理由としては以下の記事が役に立ちます。
-
行政書士の就職先がない理由とは?
続きを見る
行政書士の仕事で食べて行くのはきついのか?
さて、ここまでは行政書士の仕事のきついと感じるところを紹介していきました。
しかし、行政書士を辞めてしまうなによりの理由は、「行政書士で食べて行くのが厳しいから」だと言われています。
行政書士の仕事で食べていくというのはどれほど厳しいのでしょうか。
ここからは仕事柄、実際に行政書士の方々を見て来た個人の感想も踏まえますが、今の行政書士業界ではよほどの人脈がない限り漠然としたビジネスプランでは生計を食べて行くのは厳しいと考えてください。
行政書士事務所というのはすでにかなりの数が存在するため、こちらから営業をしなくてはお客さんなんてまず来ませんし、営業をしたところで開業したばかりの行政書士にいきなり仕事をくれる人は少ないでしょう。
では、未経験で開業しても仕事なんて見つからないかと言われるとそんなことはありません。
どうしたら良いのかと言うと、成功している行政書士の多くは、ターゲットを絞って、専門性の高い行政書士となることで信用を勝ち得ている人が多いのです。
「なんでもできる行政書士」よりも、「これだったら誰にも負けない」という一つのことに特化した行政書士の方が、その分野を頼もうとしているお客様からしてみれば、信頼を獲得しやすいですよね。
狙いを絞って、その需要に上手く入り込むことができれば、記事の最初で言った年収1,000万だって夢ではありません。
成功のためには「どの層に」「どの業務が需要があるのか」「どのくらい競合する相手がいるのか」などの市場調査を繰り返し、どうやって戦略を立てるかをきちんと方針を立てて、どのように自分のカラーを出していくのかが成功編重要なポイントです。
もちろん、最初はどの分野に特化していくか決められないという人も多いと思いますが焦らないで大丈夫です。
実務の勉強や研修などに積極的に参加していくなかで自分に向いていいる分野をじっくりと見極めながら成功している人も多くいます。
また、他の資格とのダブルライセンスを狙っていくというのも効果的です。
たとえば行政書士と社労士があれば、許認可業務をした後も社会保険や労務関係の手続きとして仕事を引き受けることができますし、司法書士を取れば会社の登記などにも関わっていくことができるため、仕事の幅を広げるには最適でしょう。
ダブルライセンスについては以下の記事も参考にしてください。
参考記事
AIの発達による行政書士の将来性は?
行政書士の仕事はAIの発達によりなくなる仕事だなんて言われることもあります。
この点に関しては、まったくありえないということはできず、実際に行政書士をしている人からも一部の業務をAI技術により奪われたという人はすでにいます。
行政書士の業務である書類作成の業務はAIとの相性がよく、どうしてもAIの発達により今後なくなる行政書士の仕事はあると思われます。
ですが、書類の作成に伴う細かい判断は人の手に頼らざるを得ないようなところも多く、依頼者の生の声を聞かなければ作成が難しい書類は多くあるため、行政書士の業務が完全になくなることはありえないでしょう。
また、行政書士の行える業務の範囲は年々どんどんん増えており、この業務範囲の広さは行政書士の強みの一つです。
これらすべてがAIに代わることはまず考えられません。
そのためAIの発達により行政書士の仕事がなくなるということは今のところはないと考えて大丈夫ではないでしょうか。
行政書士の仕事のやりがいは?
さて、ここまでは行政書士の仕事のきついところをご紹介してきました。
しかし、行政書士の仕事はきついことも多い反面、これほどやりがいののある面白い仕事はないとまで言い切る人もいます。
では具体的にどんなところで行政書士の仕事に面白さを感じるのでしょうか。
行政書士の仕事内容とあわせてその理由を解説していきます。
①行政書士の仕事そのものが面白い
行政書士の仕事にはこれと言った正解はありません。
相続や許認可、どの業務を取っても行政書士の数だけスタイルがあります。
やり方に正解がないからこそ、自分で考えて最も最良と思う方法で仕事を行うことができるため、いくらでも業務の効率化や工夫をする余地があります。
どうすればもっとお客様にとっても最も喜んでもらえるか。
自分の知識と技術、そして工夫次第で無限に可能性を開いていけるこの仕事にやりがいを感じると答える人は多いですね。
行政書士に合格して開業すれば、今までの学歴に関係なく、自分の腕で勝負することができます。
実際に中卒・高卒で大成功を納めている行政書士の方も多く見て来ました。
その方たちの体験談を以下の記事で紹介しているので参考にしてください。
-
高卒で行政書士になるには?高卒でも行政書士に受かるコツを大紹介
続きを見る
②人から感謝されることが多い
行政書士は基本的には困っている人への手を差し伸べる仕事です。
たとえば、相続などは多くの人が人生で一度はぶつかる壁ですが、いざその時になると何から手をつけたらいいか分からないなんて方も多いです。
そんな方の味方になってあげられるのが行政書士です。
そのため、業務を終えた後には感謝の言葉を貰えることも多く、依頼人の喜ぶ顔が直接見れた瞬間は、本当に行政書士の仕事を選んで良かったと感じる最大の瞬間でしょう。
③自分で得意分野を発掘ことができる
行政書士の仕事の幅は数えきれない程広く、一説によるとできる業務は2,000種類とも10,000種類とも言われています。
行政書士のメイン業務である許認可業務1つとっても、飲食店の許可申請、建設業の許可申請、宅建業の許可申請など非常に多くの分野があります。
上記でも述べた通り、行政書士として成功している人の多くは一つの分野のエキスパートであることも多く、そうでなくても得意分野の1つや2つは必ずあります。
最初はどの分野が良いかなんてわからないかもしれませんが、実際に依頼をこなしてみたり、勉強や他の行政書士からアドバイスを貰ったりしながら自分だけの得意分野を開拓していけばいいでしょう。
うまくいけば、まだ全く開拓されていないブルーオーシャンの分野を発見することができて、その分野の第一人者になることも夢ではありません。
まとめ
行政書士の業務は軌道に乗らない内や慣れない内はきついと感じることも多いと思いますが、
その分直接お客様に感謝されることも多い仕事です。
やりがいのある仕事であるということも理解しておきましょう。