人気の国家資格である宅建ですが、
いざ受けてみようと調べてみると「合格率ひくっ!」と意外な難易度の高さに驚いたという人も多いのではないかと思います。
なぜ宅建の資格は合格率が低いのでしょうか。
この記事ではその理由を徹底解説していきます。
Table of Contents
宅建の合格率は低い?
そもそも宅建の試験の合格率は具体的にどれくらいの人数が受験して合格率がどれくらいなのかを確認していきましょう。
まずは過去の宅建試験のデータをご覧ください。
年度 | 申込者数 | 受験者数 | 受験率 | 合格者数 | 合格率 | 合格点 |
2019年 | 276,019 | 220,797 | 80.0% | 37,481 | 17.0% | 35/50 |
2018年 | 265,444 | 213,993 | 80.6% | 33,360 | 15.6% | 37/50 |
2017年 | 258,511 | 209,354 | 81.0% | 32,644 | 15.6% | 35/50 |
2016年 | 245,742 | 198,463 | 80.8% | 30,589 | 15.4% | 35/50 |
2015年 | 243,199 | 194,926 | 80.2% | 30,028 | 15.4% | 31/50 |
2014年 | 238,343 | 192,029 | 80.6% | 33,670 | 17.5% | 32/50 |
2013年 | 234,586 | 186,304 | 79.4% | 28,470 | 15.3% | 33/50 |
2012年 | 236,350 | 191,169 | 80.9% | 32,000 | 16.7% | 33/50 |
2011年 | 231,596 | 188,572 | 81.4% | 30,391 | 16.1% | 36/50 |
宅建の合格率はこのように、毎年15%~20%程度と低い合格率を維持し続けています。
ちなみに令和2年度の宅建とも馴染みのある他の国家資格の合格率は以下のようになっています。
行政書士:10.7%
管理業務主任者:22.2%
賃貸不動産経営管理士29.8%
このように、合格率の高い賃貸不動産経営管理士だと30%近い合格率が出ています。
もちろん、難易度や受験人数などが違うため合格率だけでは比較できないですが、純粋に合格率だけで見れば宅建の試験は合格率が低い試験と言えるのではないでしょうか。
宅建の合格率が低い理由
では、なぜ宅建の合格率がここまで低いのでしょうか。
それは宅建の試験制度が大きく関わって来るのです。
今回はこの試験制度を解説しながら合格率が低い理由を一つずつ解説していきます。
宅建の合格率が低い理由①合格者数をコントロールしているため
宅建の合格率が低い一番の理由は宅建の試験は毎年合格点を調整して、合格者数をコントロールしているためと考えられます。
宅建の合格点は毎年必ずしも一定ではなく、全体の得点を見て決めています。
たとえば、ある年の受験生のできがとても良く、前年の合格点をそのまま基準にしてしまうと、前年よりも合格率が跳ね上がってしまうような場合は合格点を少し上に設定したり、その逆もあったりします。
つまり、受験生全体の平均的な得点を見たうえで、合格点を決めているのです。
そのため、難しくて合格率が低いという訳ではなく、毎年一定の合格者になるように合格点を調整しているのが、合格率が低い数値で維持されている理由と言われています。
合格点の調整があるなんてずるいと感じる方もいるかもしれませんが、毎年試験の難易度は試験内容によって異なりますし、できの良い年にまとめて合格させてしまうと、宅建士の業界に大量の新人が流れ込んでしまい、業界全体のバランスがおかしくなってしまう可能性もあります。
そのため、どの国家試験でもある程度は調整がされることが多いため、こればかりは仕方のないことだと割り切って、確実に合格できる程度の得点を目指しましょう。
宅建の合格率が低い理由②記念受験も多い
宅建の受験生が他の国家資格よりも多い理由として、受験資格の制限がないことが大きな理由の一つとなっています。
国家資格の場合、受験資格として学歴や職歴など一定の基準を設けているケースも多いですが、宅建の場合は誰でも受験することができる試験です。
そのため、せっかくなら受けてみようと言う記念受験の人の割合は意外と多いのです。
なかにはまったく勉強せずにとりあえず試験だけ受けてみようと言う人もいるため、必ずしも全員が絶対に合格してやると言う気持ちで受験している訳ではないため、受験生の数の割には得点が取れない人の割合がかなり多いのも事実です。
上述した合格点の調整も、あくまで合格者数が一定になるようにして決めていると考えられるため、受験資格があって受験者数が少ない試験だったならば、合格率はもう少し高かったかもしれませんね。
宅建の合格率が低い理由③試験内容が難しい
宅建の試験は、一般的に知名度も高く誰でも受験できると言うことから、簡単な試験と言うイメージもあります。
ですが、実際に勉強してみた方は分かると思いますが、勉強内容は意外と高度な内容となっています。
法律上の知識も多く問われるため、今までまったく法律の勉強をしたことがない人にとっては、最初は目がチカチカするような内容だと感じるはずです。
少し舐めてかかったあげく、本試験では全然得点が取れなかったという人も多くいます。
受験者数の中でしっかりと合格できるように試験対策までして勉強に取り組んでいる人の割合を考えると、合格率が低いというのもうなずけますね。
宅建を合格できる人はすごい?
では、合格率が低い宅建を合格できる人はすごいと言えるのでしょうか?
宅建は合格率こそ低いですが、最難関試験とは言いがたい試験です。
しかし、それでも宅建の合格のためには、綿密な試験対策と膨大な勉強量が必要です。
その宅建を合格できるならば、それは十分すごいと言えるでしょう。
しかし、すごいとは言っても、宅建は勉強方法次第では誰でも合格を目指すことができます。
次に宅建を一発合格するためのコツをお伝えします。
宅建を一発合格するには?
宅建の合格率が低い理由にも書いた通り、宅建の試験管側がある程度合格者数が一定数になるように合格点が変動する仕組みになっています。
そのため合格するには他の受験生よりも一歩前に抜き出る必要があります。
しかし、それは他の受験生に解くのが難しい難問を解けるようになることではありません。
大切なのは確実に取れる問題を落とさないようになることです。
宅建の試験に落ちる人の特徴は、難しい問題を解けることもあれば、受験生の大半が解ける簡単な問題をポロっと間違えてしまうことが多い傾向にあります。
こういう人は基礎知識がしっかりとしないまま難しい知識ばかり学習しようとしていることが多いです。
そうすると難しい問題は解けても簡単な問題を落としてしまいがちです。
宅建試験では、簡単な問題も難しい問題も貰える得点に差はありません。
ならば、基礎知識をしっかりと固めて簡単な問題を確実に得点した方が勉強効率ははるかに良いはずです。
そのため意外に感じるかもしれませんが、難しい問題を時間をかけて得点できるようになるよりも、サクサク勉強を進めて簡単な問題を確実に取れるようになる方が合格しやすかったりします。
確実に解ける問題を確実に得点していくことが一発合格への最短ルートです。
まさに急がば回れと言うことですね。
宅建の合格率が低い理由のまとめ
最後に、もう一度宅建の合格率が低い理由をおさらいしていきます。
宅建の合格率が低い理由は以下としては以下のような理由が考えられると解説してきましたね。
- 合格者数がコントロールされているため
- 記念受験も多い
- 試験内容自体の難しさ
これらの理由や、宅建の合格率の低さなどに抵抗を感じて、試験の挑戦前に諦めてしまう人がいますが非常にもったいないです。
宅建試験は決して簡単な試験ではないかもしれませんが、正しい対策をすれば独学でも合格は全然可能な試験です。
数字の低さなどに惑わされず、何度でも挑戦できる試験なのでダメ元で一度挑戦してみてはいかがでしょうか。