「介護職はやめたほうがいい」
そんな言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
介護業界と聞くとなんとなくブラックなイメージがある人も多く、未経験者からは敬遠されがちな業界と言えるかもしれません。
ですが、なぜ介護業界はやめたほうがいいと言われるのかと聞かれて具体的に答えられる人は少ないのではないでしょうか。
そこで長年介護業界に携わってきた私が、介護職がやめたほうがいいと言われる理由と、実態を解説していきます。
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介護職はやめたほうがいいと言われる理由
さて、介護職と言うと皆様はどのようなイメージを持つでしょうか。
経験したことがない人からは割とネガティブなイメージを持つ人も多いと思います。
実際に介護職に関するイメージを調査したところ以下のようなものが多かったです。
- 給料が安い
- 業界全体の人手不足
- 身体への負担がでかい
- 底辺と言うイメージがある
- 休みが不定期
しかし、これらはあくまで介護業界のイメージであり、実際にこのイメージと労働環境が合っているのかというのを答えられる人は少ないでしょう。
そこでこれらの理由は、どこまで実態と合っているのかを一つずつ解説していきます。
①給料が安い
やはり、介護職をやめたほうがいいと言われる理由として「給料面での不安」があると言う人は多いですね。
たしかに、介護業界での給料はお世辞にも高いとは言い難い現状です。
また、昇給や昇格とは結びつきにくい業界でもあるので、賃金のアップを目指してもなかなか難しい等の事情も重なり、
現場の人たちからも実際に給料面で不満が出ることは多いですね。
しかし、実は介護業界が他の産業と比べて給料面で圧倒的に低いと言う訳ではありません。
日本全体の給料が減ってきている現在、
「令和2年賃金構造基本統計調査」では、日本人の平均的な月収は約26万円と言われています。
皮肉なことに日本全体の収入平均が落ち込んでる状況で、介護業界と他の産業との給料の差はそこまで大きなものではなくなってきています。
介護業界であっても26万円以上稼ぐのは決して難しいことではありません。
また、昇給などが難しいと言いましたが、介護業界では様々な資格が存在し、経験を積んでいくことで確実に手に入れられる資格などもあります。
それらの資格を取ることで資格手当を得られたり、新たな役職に就くこともできるため、
努力や長く続けていくことで給料の向上を狙っていくこともできます。
さらに介護業界の人手不足解消のため、国からも介護職員の待遇の改善を期待して手当てが支給されるなど、将来的にも期待される業界です。
これらのことを考えると、給料面で他の産業と圧倒的に劣っているとは言えないのではないでしょうか。
②業界全体の人手不足
介護業界は全体的に人手不足が問題視されています。
そのため、資格さえあれば未経験者でもよほどのことがない限り即採用なんて事業所も少なくありません。
実際に40代を超えて、介護に関する資格を取得して未経験から採用された人は私の周りでは多くいます。
このようにある程度年齢を重ねても未経験から挑戦できるというのはメリットでもある一方で、業界全体の人手不足のあらわれとも言えるのでしょう。
人手不足の業界はどうしても既存の職員に負担が回って来たり、他の人から避けられているから人手不足なんだと受け取られたりと、
介護業はやめたほうがいいというイメージに結びついてしまうのではないでしょうか。
③身体への負担がでかい
介護業界はかなりハードな肉体労働です。
身体介護が必要な場面はもちろん、仕事中は基本的には立ち仕事なうえに動き回ることも多いので、
慣れない人がやると、一日終わるころにはグッタリなんてことも珍しくありません。
また、利用者さんや重い備品の持ち運びなども多いので腰や足を痛める人も多くいてコルセットがかかせないなんて人も多いです。
そのため、年齢を重ねていくと、体力面や身体的に介護で働くのがきつくなってくると言う人も多いです。
さらに、入所系の施設の場合は夜勤が必須となるところも多いので、そう言った事情から長く続けるのは難しいと言う人もいます。
④世間的にブラックというイメージが強い
冒頭でもお話した通り、「介護職はやめたほうがいい」なんて言葉が広まるくらい、介護業界に対するイメージはマイナスなものも多いです。
その理由としてはここまで解説して来た理由や、
今でこそ改善傾向にありますが、昔はブラック事業所も多くその頃のイメージが強いというのも原因の一つだと思います。
ですが、私自身もは介護職の経験者ですが、一概にやめたほうがいいと言われる業界ではないと思いますし、
私は実際に働いてみて本当に楽しい仕事だと感じました。
実際に介護業界で働く人からしてみれば、不満こそあれどそこまで悪い業界ではないと感じている人も多いのではないかと思います。
もちろん、介護職特有のきついところというのもたくさんあります。
ですが、どの業界であってもそれは共通することで介護業界だけが底辺と言うイメージや、やめたほうがいいというのは少し過ぎたイメージなのではないかと思います。
⑤休みが不定期
介護職の場合、休みが不定期というところも多いです。
デイサービスなどの通所系の施設の場合は、土日を休みにしているところもあるので、場所を選べばカレンダー通りの休みを貰えたりしますが、
老人ホームのような入所系の施設の場合、土日はもちろん年末年始も祝日も関係ないどころか、夜勤と日勤を交互に入ったりすることもあります。
この前も介護職の人たちと話していると、この仕事をしていると祝日が嫌いになるなんて言葉が出て、まさにあるあるだなと思いました。
カレンダー通りの休日を希望する人も多いので、こういった人たちから見ると、このように休みが不定期になる業界は避けられることが多いです。
一方で、希望休を取れば平日でも好きな日を休みにできたりするので、こういった働き方の方がいいなんて人もいますね。