建物を建てる際や土地の評価を行う際に欠かせない測量を行う専門家である「測量士」。
国家資格としても定められ、専門的な仕事であるため目指す人も多いですが、
一部からは「やめとけ」なんて言われることもあるそうです。
なぜ測量士はやめとけなんて言われるのか。
測量士の仕事の実態を踏まえて解説していきます。
Table of Contents
測量士はやめとけと言われる理由
さて、そもそも測量士の名前は聞いたことがあるけれど、どんな仕事をしているのか具体的にはイメージがわかないという人も多いと思います。
測量士の仕事はその名の通り現場で測量を行う他にも
測量のための計画を作成したり、測量したデータを基に測量図を作成するなどの内業と呼ばれる事務作業もあります。
工事などは測量士の作った測量図を基に進められるため、建設現場において非常に重要な役割を担っています。
しかし、そんな大切な仕事であっても、なぜ「測量士はやめとけ」なんて言われることがあるのでしょうか。
実際に測量士として働いた人たちからの意見をまとめたところ、以下のような意見が多いことが分かりました。
- 仕事が激務
- 季節や気温の影響をもろに受ける
- 非常に体力がいる仕事
仕事が激務
測量の仕事を知らない人からすると、
「土地の長さを図ればいいだけなんだから、楽そう」なんてイメージを持つ人がいますが、これは大間違いです。
下記でも詳しく解説しますが、測量の仕事をこなすためには体力も必要なうえに、納期などが重なれば都合によっては連日終電間際まで働くようなことだってあります。
給料も働く場所によってピンキリで、安いところで働いてしまうと仕事は忙しくて大変なのに全然稼げないなんてことにもなりかねません。
そんな厳しい労働環境にうんざりして辞めてしまう人もいるくらいです。
季節や気温の影響をもろに受ける
測量の仕事は多くが野外での業務となります。
そのため、夏の猛暑や冬の寒さが猛威を奮ってくることになります。
花粉症であれば常に鼻をむずむずしながら仕事をし、雨であれば視界も足元も悪く、筆記もしにくい環境で測量しなければならないなど、野外であることによる影響をもろに受けることがあります。
非常に体力がいる仕事
測量と聞くと、機械などを使用して行うためにそこまで体力はいらなそうなイメージがあります。
しかし、実はそれは大間違いで、測量士の仕事は非常に体力勝負の仕事と言えます。
測量を行う必要のある土地は、まだ人の手のつけられてない山林などで行うようなことも多く、測量に使う重い機材を長い距離歩いて運ばなければならないような場面も多くあります。
また、上述した通り、野外の気候や季節の問題にも直面するため、体力はガンガン持っていかれます。
そのため、年齢を重ねるにつれて測量の仕事がきつくなってくるなんて人も少なくないようですね。
測量士は食いっぱぐれない仕事?
測量士は比較的食いっぱぐれにくい仕事だと言われています。
その理由としては、測量と言う仕事自体の需要の高さと専門性の高さが要因だと考えられます。
測量は建設工事の現場や土地の売買など非常に多くの場面で活躍できるために求められる場面も多く、
測量を行う事務所には必ず測量士の資格者を一人以上配置しなければならないため、無資格者や未経験者では替えが利かないことも多いため測量業務の経験者や資格者の需要も高いです。
そう言った事情からも特に測量士の資格者は食いっぱぐれにくいと言われています。
上述した通り大変なことも多い仕事ですが、このように測量に関する経験と資格を持っていれば需要も高いため、安定した仕事先を選んで働き続けることもできますね。
関連記事
測量士の将来性は?
測量士はやめとけと言う意見のなかには、「測量士はなくなる仕事だから」という意見を出す人もいます。
なぜ、このような意見が出るのかと言うと、
最も多いのが「AIに奪われる可能性が高い分野だから」というものでした。
たしかに、近年のAIやロボット技術の進歩は凄まじく、様々な分野の仕事がAIに奪われるのではと問題視している業界も多いようです。
測量も例外ではなく、最近ではドローンが測量に用いられることも増え始め、上手に活用すれば今までの測量を圧倒的に効率化することも可能と、測量の在り方も少しずつ変わって来ています。
ですが、例えばこのドローンが自動操縦になり、測量に関する作業もすべて自動化されるくらいの技術が開発されればそもそも測量士の仕事は必要なくなるのではないかなんて考えもできますよね。
そうなれば、たしかに測量士の仕事はなくなるのかもしれません。
ですが、少なくとも現代の技術ではそこまで自動化するのは難しいですし、開発が進んだとしても実用化できるレベルになるのは当分先のことになるでしょう。
現状では測量にはまだまだ人の手が必要な部分は多くあります。
そのため、今すぐ測量士の仕事がなくなるなくならないと心配する必要は少ないでしょう。
ただし、ここまで解説した通り、測量の技術も常に進化しています。
その次代の流れに着いていけなければ、測量の自動化が進んだときに真っ先にクビを切られることにもなりかねません。
そのようなことにならないためにも、常に学ぶ姿勢というのは持っておくようにしましょう。