就労支援員は障がいを持つ方や、生活保護受給者に対して、就職に関する様々な支援を行う仕事です。
最近は人気の高い仕事でもあり、なりたいと希望する人も多いようですね。
しかし、離職率も決して低くはなく、きつい仕事だと感じる人もいます。
この記事では就労支援員の仕事のきついところなど仕事の実態を解説していきます。
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就労支援員の仕事をきついと感じる理由
就労支援員は、就労移行支援事業所や福祉事務所などで就職を希望する身体傷害・精神障害・知的障害などの様々な障がいを抱える方たちや、生活保護受給者などに対して就職活動の支援や就職先の開拓、就職した方の定着の支援など、就職に関する支援全般に関わる仕事です。
様々な障がいを持つ方や、社会的な悩みを抱える方たちと関わる難しさや、他の関係機関との連絡など、他の仕事にはない難しさがあり、きついと感じる人もいます。
きついと感じるその理由を一つずつ解説していきます。
①利用者さんとの関係に悩む
就労支援員がきついと感じる理由として最も多いのが利用者の方との関わりです。
就労支援を利用する方には、様々な障がいを持たれている方がいるため、一人ひとりに沿った柔軟なコミュニケーションが求められます。
なかには関わり合いが難しい方や、やる気がない人がいたりと一筋縄ではいかない方も多く、常に様々な知識や対応を使い分けていかなければなりません。
年齢層も幅広いため、一般的なコミュニケーション能力とはまた違ったものが求められるので、利用者さんとの関係がなかなか上手くいかないと、自分には向いてないのかと思いつめてしまう人もいます。
関わり方に正解がない分、きついと感じる人も多いようですね。
②ストレスが溜まりやすい
上述した通り、利用者の方とのコミュニケーションの難しさに加えて、想定外のトラブルなども多い仕事です。
一つひとつの問題を真っ向から受け止めていくと
利用者の方から辛い暴言を吐かれたり、することも多いです。
立場上、こちらから強く出る訳にもいかず、耐えなければいけないような場面もあったり、
相談内容も気が滅入るような内容が多く、相談を受けている方までネガティブな思考に引っ張られてしまうこともあります。
自分の力ではどうにもならなかったり、思い通りにいかないことも多くあるため、そういったことを受け流せないと非常にストレスも溜まりやすいです。
いくら仕事だからと割り切っても、ストレスにやられてしまう人も多いですね。
③年収が低い
福祉業界全体としての問題にもなりますが、就労支援員の給料は決して高くありません。
厚生労働省が調べた就労支援員の平均年収は3,398,383円という結果が出ています。
日本人の平均給与が436万円と公表され、少なすぎると騒がれていたのと比べても、その年収の低さが分かりますね。
あくまで平均年収であるため、「社会福祉士」や「精神保健福祉士」などの資格を取って手当を貰ったり、管理者などの役職に就いたりと年収を上げる方法は色々とあります。
あとは「サービス管理責任者」の資格があれば、その施設でもサービス管理責任者として働くこともできます。
就労支援員よりも給料はかなり良くなるはずなので、経験を積みながら目指してみるのも良いですね。
サービス管理責任者については「サービス管理責任者の仕事って大変?」の記事も参考にしてください。
就労支援員以外でも、福祉業界全体で給料の低さが問題となることは多いです。
障害福祉に関する給料が安い理由については以下の記事でさらに詳しく解説しています。
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生活支援員の給料が安い理由は?障害者施設で働く人の給料事情とは
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就労支援員の仕事の楽しいとき
就労支援員の仕事はきついことも多いですが、一方で楽しいと感じるときも多い仕事です。
利用者の役に立てたとき
就労支援員の仕事をしていて最も楽しいと感じる瞬間は、利用者の方の支援が上手く行き、喜んで貰えた瞬間ですね。
様々な工夫や努力の結果、利用者の方の就職が決まり就職先で生き生きと頑張っている姿を見た瞬間は本当にやりがいを感じますし、この仕事をしていてよかったと感じるはずです。
もちろん、すべての人がうまくいく訳ではありませんが、
上手くいくためにはどうすればいいかを繰り返していくことで、誰かの役に立つことはもちろん、自分の成長も実感することができるはずです。
このように人の役に立ちながら自分も成長できる仕事というのは本当に大きな魅力ですね。
様々な人と関われる
就労支援員は、利用者の方はもちろん、様々な機関や企業の方々と関わることができます。
色々な経歴や経験を持った人と触れ合うことができるため、自分にはない価値観や体験をすることもできるため、
毎日同じことの繰り返しが苦手という人や、コミュニケーションが好きと言う方にはとても楽しい仕事になるはずです。
就労支援員に向いてる人
仕事がきついと感じたり、自分には合ってないと感じて辞めていってしまう人も多いですが、
では就労支援員に向いてる人とはどのような人なのでしょうか。
長く就労支援員の仕事を続けられる人の特徴を解説していきます。
①真面目過ぎない人
就労支援員として最も長く続くのは、真面目過ぎず適度に気の緩め方がうまい人だと感じます。
就労支援員の場合は利用者の方から様々な問題や悩みを相談されますが、正直なところ解決の難しい悩みもあります。
このような相談を割り切れればいいのですが、あまり真に受けて真剣に考えて、すべてを上手くこなそうとすると必ずどこかで壁に行きあたります。
問題を適切に見極めて、受け流すところは適度に受け流せる人が就労支援員に向いていると感じます。
②コミュニケーションが好きな人
やはり就労支援員に重要なのがコミュニケーションを楽しめるかという点です。
利用者の方や、関係機関。就労先など、とにかく関わる幅が広いのが就労支援員の特徴です。
これらの関わりをどこかで楽しいと感じていなければ、正直長くこの仕事を続けるのは難しいのではないかと思います。
③臨機応変に動ける人
就労支援の仕事は毎日が様々なトラブルや想定外のできごとの連続です。
マニュアル通りではうまく対応できないこともしょっちゅうであるため、そんなときに自分で考えて臨機応変で柔軟な対応ができる能力が必要になります。
工夫をしたり、考えて行動するのが苦手という人は、ひょっとしたらこの仕事は向いてないかもしれませんね。
就労支援員に向いてない人
一方で就労支援員に向いてない人の特徴はどんなものがあるのでしょうか。
こちらも実際に見た就労支援員に向いてない人の特徴をいくつかご紹介していきたいと思います。
①感情的になりやすい
就労支援員として働くと、自分の思い通りにいかなかったり想定外のハプニングなんて日常茶飯事です。
そんなときに自分の常識に当てはめてすぐに感情的になってしまったり、利用者の方相手に不必要な反論をしてしまう人は正直なところ向いていません。
どんなときでも落ち着いて状況を整理しつつ、自分のペースをなるべく崩さない人の方が就労支援員としては向いていると言えるでしょう。
②切り替えが苦手な人
就労支援員として仕事をしていると、メンタル的にきついと感じたり、
責任を感じ過ぎてしまい息詰まる場面が多々あります。
そんな時にある程度割り切ってものごとを考えて行かないと、気持ちが滅入ってしまい精神的にも参ってしまうこともあります。
そのため、ある程度は切り替えが上手な人ほど長続きする傾向にありますね。
就労支援員を辞めたいと感じたら?
就労支援員の仕事は、離職率も高い仕事だと言われています。
その理由としては、ここまで解説してきた通り周りの人間とのコミュニケーションの難しさや、給料の低さなどが原因になることが多いですね。
一箇所で長く勤めるのも大切ですが、別の場所で経験を積むというのも良い勉強になります。
障がいに関わる仕事がしたいならば、職業指導員や生活支援員、児童の分野で放課後等デイサービスなどを経験してみるのもありですね。
就労支援員の将来性は?
障がいを持つ方は、年々増加していると言われていて
その方たちに就労の場を与える就労支援施設も増えて来ています。
障がいを持つ方たちの就労に関する問題はなくなることはありません。
人の気持ちに寄り添うことが求められる仕事であるため、将来ITに仕事を取られるような心配も少なく、
そういう意味では今後しばらくは需要も高まり続けるのではないかと思います。
また、就労支援員を続けることで、「社会福祉士」や「精神保健福祉士」、「サービス管理責任者」など経験に応じて様々な資格を目指すことも可能です。
就労支援員の仕事自体の需要や、応用力の高さなどを考えると、将来性は高い仕事と言えるでしょう。
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