障がいを持つ方の日常を支える生活支援員ですが、実際に経験をしている人たちからは「きつい仕事だ」という声が多く叫ばれます。
- 生活支援員の仕事がきつい
- 他の人はこの仕事のどんなところに楽しさややりがいを感じるの?
- きついと感じたときはどうすればいい?
こんなお悩みを解決します。
Table of Contents
生活支援員がきついと感じる理由
障がい福祉施設で働く生活支援員の仕事ですが、大変な仕事というイメージも強く、
実際に働く人たちも「きつい仕事だ」と感じる方が多いようです。
生活支援員として働く人たちはどんなときにきつい・辛いと感じるのでしょうか。
今回は生活支援員の方から実際に聞いてまとめた、生活支援員の仕事がきついと感じる理由をご紹介していきます。
体力的にきつい
生活支援員の仕事はとにかく体力を消耗します。
基本的に仕事中は動き回っていることが多く、落ち着く時間もありませんし、
昼食も余裕を持って食べられないなんてところも多いです。
さらに常に気を張って周りに危険がないかを見回り続けなければいけないため、仕事が終わったあとは身体的にも精神的にもヘトヘトなんて日常茶飯事ですね。
そのうえ、突発的に噛まれたり、髪を引っ張られたりなんて当たり前で、ときには暴れる利用者を身体を張って止めなければいけないような場面も多くあります。
仕事上、相手にするのは既に体のできあがった大人の方たちであるため、その衝撃は関わったことのない人の想像の遥か上をいきます。
そのため、身体はヘトヘトで生傷も絶えず、仕事から帰ったらご飯すら食べずに爆睡なんて経験は生活支援員の経験のある方なら誰もが経験したことはあると思います。
ストレスや神経を使う場面の多さに気が滅入ってしまう
利用者の方たちは様々な障がいを持っており、それぞれ特性を持ちます。
そのため、自傷行為や他害行為、突発的に物を投げてしまったり、ときには脱走など、日常ではありえないような様々な危険がつきものです。
仕事を続けていると危機管理能力が高まって来るのか、危険が起こりそうという瞬間が分かるようになってきますが、それでも常に想像の斜め上をいくような危険が必ず起こります。
それが命に関わるような危険で肝を冷やしたなんてこともあるでしょう。
人の命を預かっている仕事だからこそ、責任感から常に気を張り続けていなければなりませんし、
思いもよらない事故や危険に気持ちがまいってしまう経験は誰にでもあると思います。
また、このような危険だけではなく、ときには利用者の方から暴言や暴力を振るわれて落ち込むこともあります。
割り切ろうとするけれど、なかなか気持ちの整理がつかず、ストレスが溜まってしまう人も多いですね。
人間関係が辛い
利用者、ご家族、職員など、とにかく人間関係が中心となる仕事です。
そのため、どれだけ気を遣ってもときには誤解やすれ違いが生じることもあると思います。
そのようなことが起きると自分が否定されたような気持ちになったり、次第に周りの目ばかり気にするようになることもあるでしょう。
自分がどう思われているか、そんなことばかりが気になってしまい仕事どころではなくなってしまうこともあります。
どの仕事でも人間関係は付き物ですが、このような仕事は特に気を遣う場面も多く、人間関係が原因の退職理由というのはやはり多いようですね。
給料の低さ
大変な仕事の割に給料が見合わないと言う方も多い業界です。
1人暮らしの場合は生活にもギリギリできついという人もいると思います。
管理者などへの昇格をすることで給料のアップなどもありますが、管理者の大変さと昇給額が割に合っていないなんて場合も多いです。
資格を取ることで、資格手当を設けているところもありますが、毎日ヘトヘトで生活もギリギリのため、資格を取る余裕なんてない方も多く、
将来への不安や現状の不満などが、上記の神経を使う場面の多さとあわさってメンタル的にやられてしまうなんてこともありますね。
夜間の仕事がきつい
入所施設の場合はどうしても夜間の勤務が入る場合があります。
仮眠時間を設けていても、なかなか眠れないという方も多いようです。
仕事の内容というよりは夜間の仕事がきついという人も多く、
自分で生活のリズムを作るのが苦手という人の場合は、夜間と日中の仕事との往復に身体を壊してしまうなんて方もいますね。
生活支援員の将来性はどうなの?
さて、ここまで生活支援員のきついと感じる点について解説してきましたが、多くの理由に共通する点として生活支援員というをこれからも続けていけるかという将来への不安が潜在的にあると思われます。
では生活支援員の将来性はどうなるのかと言うと、生活支援員の需要は将来的に上がっていくと考えられます。
今の日本は、超高齢化社会という時代に突入しています。
そのため生活介護やグループホームは少しずつ増えて来てはいますが、それでも数はまだまだ足りてない現状であり、学校を卒業してからの障がいを持つ方の行き場が問題視されているのが現状です。
そのため、生活支援員の数は不足しているのが現状で、施設は職員の確保に重大な課題を抱えています。
そのため、待遇面や働く場所などは生活支援員にとって今後良くなっていくと思われます。
ただし、それと同時に生活支援員に求められる資質や知識もさらに高くなっていくはずです。
ただ業務をこなすだけではなく、資格を取得したり、障がいへの理解や知識のさらなる向上が求められるようになるでしょう。
参考記事:生活介護に係る・報酬・基準について
生活支援員を楽しいと感じる瞬間
さて、ここまでは生活支援員の仕事のきついと感じる理由をご紹介してきました。
しかし、生活支援員の仕事は楽しいという声も同じくらい聞きます。
次に生活支援員の仕事が楽しいと感じる瞬間をご紹介します。
利用者の方と気持ちが通じあったとき
どうしても、「なんで自分の気持ちが通じないんだろう」と気持ちが後ろ向きになってしまうことは誰にでもあります。
しかし、何度も何度も接している内に段々と心を開いてきてくれて、口数も増えて行き、心が通じ合っていく過程は、支援員として喜びを感じる瞬間ですね。
目標を達成したとき
生活支援員として働くとき、多かれ少なかれ色々な目標を立てます。
「利用者の方とこんなふうに関わってみよう」
「こんなことができるようになるような支援をしてみよう」
もちろん、正解のない仕事ですので、目標がすべて上手くいくとは限らず常にトライ&エラーの繰り返しです。
だからこそ、利用者の方と二人三脚で目標を達成できたときの喜びはとても大きいですね。
生活支援員の仕事でストレスが溜まったときの対策
社会人サークルなどに参加してみて、自分の心の置き場を作る
職場と自宅の往復で気持ちが塞がっていってしまい、段々と世界から孤立していくような気持ちになる人も多いと思います。
そんなときは、共通の趣味やイベントを行う社会人サークルに参加してみてはいかがでしょうか?
運動が好きな方ならばランニングやフットサルは人気スポーツのため多くのサークルが存在しますし、
インドアが好きならば今はボードゲームサークルや読書会などもおすすめです。
ネットで検索すれば地域ごとのサークル一覧なども調べられるため、気になる方はぜひ調べてしてみてください。
色々な年齢層や仕事をする人たちが集まるため、今まで閉鎖的になっていた気持ちも晴れやかになり、見える世界もきっと広がるでしょう。
資格の勉強をしてみる
ストレスは多かれ少なかれ自分の現状や将来の不安から来ると言われています
そのため、将来に繋がる資格を取ることで、自信や気持ちの安定にも繋げることができますね。
福祉の業界は経験も大切ですが、資格も非常に重要視される業界です。
そのため、資格を取ることで、昇給やキャリアアップ、他の福祉業への転職など、可能性はとても広がります。
さらに、生活支援員の仕事を続けていると、社会福祉士や精神保健福祉士、サービス管理責任者など様々な資格へキャリアアップも可能なため、資格の取得とも相性が良いですね。
体力的にも厳しいという人や、金銭的に厳しいという人もいると思いますが、福祉の資格の中には有用な割に短期間で取得できたり、独学での取得や、市から補助金が出される資格なども多くあるため、ぜひ挑戦してみましょう。
どんな資格を取ればいいか分からないという方は以下の記事で、おすすめの資格や短期間で取れる資格など福祉に関する様々な資格をご紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
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福祉系の資格のおすすめランキング【2023年度版】
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また、障害者施設で活躍できる資格も以下の記事でまとめています。
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障害者施設で働くために役立つ資格一覧
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思い切って転職を考えてみる
どうしても今の現状がきついと感じるならば思い切って転職を考えてみるのも一つの手です。
転職先としては、別の施設で生活支援員を続けたり、他の福祉業に転職するという方が多いようです。
放課後等デイサービスや就労継続支援施設に移るという人も多く、「就労支援員」や「児童指導員」などで活躍する人もいます。
生活支援員を辞めた後の転職先や、なぜ退職を決めたのかについてこちらの記事でまとめているので参考にしてください。
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