ITパスポートという名前は、ITの分野に詳しくない人でも一度は聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
それほど知名度の高い資格ならば、さぞ役に立つ資格なんだろうと言うイメージを持つ人もいると思いますが、
実際に取得した人からは「ITパスポートなんてゴミ資格だ」とまで酷評されることがあります。
なぜそこまで言われてしまうことがあるのか、この記事ではその理由を解説していきたいと思います。
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ITパスポートがゴミだと言われてしまう理由は?
ITパスポートは人気も知名度も高く注目の資格の一つです。
実際、ITパスポートを取得したことで転職のアピールに繋がったり、IT系の勉強の基盤ができたという前向きな声も聞かれる一方で、ITパスポートについて検索しようとすると、関連ワードでは「ITパスポート ゴミ」、「ITパスポート 無駄」なんてキーワードが出てきてしまうことがあります。
私自身も最初にこれを見たときはとても驚きました。
そこで、なぜITパスポートがこのように酷評されてしまうことがあるのか、
その理由を一つずつ解説していきたいと思います。
転職で役に立たなかった
ITパスポートは非常に人気の高い資格で、受験者数は年々増加しており、直近では15万人近い人がITパスポートの試験を受験しています。
将来性も高く、役に立つイメージの強いIT系の資格だからこそ、取得すれば就職や転職に役に立つのではないかと考えて取得を目指す人も多いですね。
しかし、ITパスポートは残念ながら転職に強いとは言い難い資格です。
そのため取得者自体も多いうえに、
決して難易度の高い試験ではないため、IT関係に近い業種ではITパスポートなんていらないと辛辣な意見をもらったという人もいました。
転職に役に立つから取得した人にとっては、思ったよりも役に立たなかったという感想を抱く人も多いようですね。
上位資格が存在するため、見劣りしてしまう
ITパスポートは情報処理技術者試験の中の一つの試験と言う位置づけで、数ある試験の中でも最も簡単な試験になります。
そのため、明確に上位資格が存在するのが特徴です。
ITパスポートはこの上位資格にステップアップするための足掛かりとしてはおすすめですし、実際に登竜門と言う位置づけとして扱われています。
ですが、やはり上位資格の下位互換資格となってしまうため、上位の資格が存在するとなるとどうしても下位のITパスポートは見下されて扱われることが多いというのもネガティブな意見が出る理由の一つかもしれません。
取得したからと言ってメリットがある訳ではない
ITパスポートは国家試験であるため、強い信頼度が売りになります。
しかし、ITパスポートの試験に合格したからと言って特別なにかできるようになる訳ではありません。
国家資格の場合、「業務独占」と言って、資格を有することにより対応する業務ができるようになるものがあります。
たとえば、医師免許がなければ医療行為ができなかったり、税理士資格がなければ税務関係の書類を作成できなかったりと言う例えが分かりやすいでしょう、
しかしITパスポートは試験に合格したとしても、特別な業務ができるようになるわけではありません。
そのため、持っていても持っていなくても仕事をするうえで特に役に立つことはないというのも、ITパスポートが酷評されてしまう理由の一つかもしれません。
ITパスポートは履歴書に書かない方がいい?
ここまで解説してきたことからも分かるように、ITパスポートは軽く見られがちなことが多い資格です。
そのため、書いたところで大したアピールにはならないと履歴書書かない人もいるくらいですね。
実際のところはITパスポートは履歴書に書いた方がいいのか、それとも書かない方がいいのでしょうか。
これに対する確実な答えがある訳ではありませんが、個人的には履歴書にもし他に書く資格がないのならITパスポー卜を取得していることをしっかりと記載することをおすすめします。
たしかに、ITに詳しい人から見れば、ITパスポートなんてそこまで評価するほどの資格ではないかもしれません。
ですが、ITパスポートを持っているからと言って、笑われたりマイナスな評価を受けるようなことはほぼありません。
(むしろ、そんな会社ならばこちらからお断りしたほうがいいくらいでしょう)
むしろ、ITパスポートを取得することを記載していれば、
しっかりとITの勉強に取り組む意志があると言う熱意のアピールにもなります。
一方で基本情報技術者試験などの上位の試験に合格していて、資格欄が足りないくらいならばITパスポートは無理に書かなくてもいいかもしれませんね。
実はITパスポートを必須とする企業が増えている?
実は最近、ITパスポートを必須とする企業が増えているのをご存じでしょうか。
たしかにITパスポートの資格は取得したとしても特別な仕事ができる訳ではないため、取得に対してネガティブな意見も多いですが、
実力が測りにくいITスキルを確かめるための一つのツールとして、内定者に対して入社までにITパスポートを取得することを目標として定めたり、
ITパスポートを取得することで一時金や手当と言う形で褒賞を用意していたりと、社員に対してITパスポートの取得を推奨する企業も増えています。
IT分野に関する知識はどの業界でも必須となりつつあります。
そういった意味でも、今後社員のITスキル向上を目指して一つの物差しとしてITパスポートを利用する企業が増えることも予想されます。
ITパスポート試験の公式サイトにて企業のITパスポートに対する取り組み実績を掲載しているので、ぜひこちらもご覧ください。
ITパスポートはいらない資格なのか?
ここまで解説してきたことからも分かる通り、ITパスポートは取得したからと言って人生がガラっと変わるような資格では決してありませんし、取っても履歴書にすら書かないなんて人もいるくらいです。
知名度や人気さほどの役に立つ資格とは言い難いギャップが、冒頭でもお伝えした通りITパスポートが悪く言われる理由の一つなのでしょう。
しかし、だからと言ってITパスポートは決していらない資格と言う訳ではありません。
近年のIT技術の発展は凄まじく、これからますますITに関する知識というのは重宝されていくでしょう。
各企業でもその流れを組んでIT技術の導入に力を入れていくところも多いです。
ITパスポートはそんな時代にできた新しい資格ですので、まだまだ真価を発揮するのはこれからという見方もあります。
また、事務職の面接の際は、やはりIT分野に多少の心得があるというだけでも強いアピールになったという声も多くあります。
さらに、ITパスポートだけではIT関係の企業への転職と言うのは難しいかもしれませんが、
ITパスポートから上位資格へステップアップしていくことができれば、IT関係の企業などへの転職にも強い武器となるでしょう。
ITパスポートをゴミとして扱うか、自分のキャリアアップに活かすかは、使い方と考え方次第なのかもしれませんね。