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司法書士と行政書士はどっちが稼げるのか徹底比較

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司法書士と行政書士はどっちが稼げるのか徹底比較

スキルアップなどを目的に資格を取る方も多い中で、受験資格のない司法書士と行政書士の資格に興味がある人も多いのではないでしょうか。

どちらも難関の国家資格とされますが受験資格もなく誰でも受験できるため、取得すれば活躍の場も大いに広がる資格です。

しかし、行政書士と司法書士はどっちを取ればいいのか悩んでるという方も少なくないのではないでしょうか。

特に、どちらが儲かる資格なのかと言うのは気になるポイントだと思います。

そこで、この記事では行政書士と司法書士を両方を比較しながらどちらが稼げる資格かを解説していきたいと思います。

 

司法書士と行政書士はどっちが稼げる?

 

どうせ取るなら儲かる資格がいいと、どちらの資格が儲かるのか疑問に思う人は多いですがこれについては少し比較が難しいところです。

司法書士の方が圧倒的に難しいとは言え、決して司法書士が上位資格という訳ではなく、お互いにできる業務が異なるため比べにくいというのが大きな理由ですね。

 

一般的に収入が高いと言われることが多いのはやはり司法書士だと言われることが多いです。

しかし、行政書士と司法書士の数が圧倒的に異なるうえに、司法書士として営業を初めても全く仕事が貰えず収入0で廃業していく人もいれば、行政書士として1,000万円以上の収入を得ている人もいます。もちろん逆もしかりです。

そのため司法書士の方が難易度の高い資格だから司法書士の方が儲かるというのは大きな間違いです。

 

しかし、業務内容でも述べた通り、司法書士の方が仕事内容がシンプルなため客層のターゲットを絞りやすいうえに、行政書士の業務は大きなものが多く手がかかりやすい一方で、司法書士が行う登記業務などは同時にさばきやすいため利益率も上がりやすいというメリットもあります。

極端な話はどれだけ仕事を獲得し、いかに効率的に業務をさばけるかに尽きますが、その点を含めて総合的に考えると儲けやすいのは司法書士の方かと個人的には思っています。

 

司法書士の平均的な年収は?

司法書士の平均的な年収については、独立してやっている人もいれば雇われてやっている人も多いので良くも悪くもピンキリです。

そのため正確なデータがある訳ではありませんが、求人などによる平均収入や実際に司法書士として働く方の意見を聞くと、
平均的な年収としては700万前後が妥当ではないでしょうか。

サラリーマンの平均収入よりは若干上回るくらいの年収で働けることが多いようですね。

ちなみに私の知り合いでは、雇われ司法書士として働きながら年収1,000万円以上で働いている人もいます。

非常に夢のある数字ですが、やはりここまで条件の良い求人はそこまでないのが現実のようですね。

 

一方で独立して司法書士事務所を運営している人ならば年収2,000万円と言う人もいます。

その反面、ほとんど仕事を受けられずに収入なんてほとんどないと言う人も多くいるようです。

 

行政書士の平均的な年収は?

こちらも司法書士と同様で様々な環境で働いているため正確なデータがある訳ではありませんが、行政書士の年収は500万前後と言われる場合が多いですね。

行政書士は司法書士よりも正社員としての求人が少ない傾向にあります。

司法書士の方が平均年収が高いのは、安定した正社員の求人が多いと言うのも一つの理由かもしれませんね。

 

 

 

行政書士と司法書士の違いをわかりやすく解説

行政書士も司法書士も法律を扱う士業という点では同じです。
さらに行政書士も司法書士も資格と事務所さえあれば開業できるため開業向けの資格と呼ばれるなど類似する点も多く比較されることが多いですが、行政書士と司法書士では取り扱える業務が決定的に異なります

それぞれの資格の取り扱える業務については行政書士法司法書士法に規定されており、この法律で定められた業務のみそれぞれ行うことができます。

行政書士と司法書士はどのような業務を要約するとそれぞれ以下のようになります。

行政書士の業務

①官公署に提出する書類の作成及び官公署への提出
②権利義務又は事実証明に関する書類の作成
③書類作成の業務に付随する相談業務

司法書士の業務

①登記書類の作成
②法務局、裁判所への提出書類の代理作成
③簡易裁判所で140万円以下の民事訴訟や調停などでの代理人

行政書士の仕事にある官公署に提出書類は非常に種類が多く、対象となる書類は2,000種類を超えると言われているためその数だけ仕事があると言われています。
そのため行政書士は業務の幅が非常に広いという特徴があり業ます。

しかし、需要の高い『登記書類の作成』や『相続放棄や成年後見の申し立て』などの法務局や裁判所に提出する書類は司法書士しかできません。

このように両方の資格では行える業務が異なるのです。

 

さて、では行政書士と司法書士はどちらの方が仕事をする上で使い勝手がいいのでしょうか

両方の資格では行える業務が異なるためどちらの資格の方が業務上有利かと言うと一概には言えませんが、
筆者は行政書士と司法書士の業務のどちらにも携わった経験として使い勝手が良いのは司法書士だと感じました。

理由として、行政書士の業務はできることが幅広い割にかゆいところに手が届かない場面が多いという欠点があげられます。

行政書士と司法書士にとって重要な業務である「株式会社の設立」例にあげてご説明いたしましょう。

【例題】行政書士と司法書士のできることの違いを会社設立で考えてみよう

株式会社の設立には様々な法的な手続きがあるため、自分で立ち上げる知識がない場合は専門家に依頼することになり、株式会社の設立には主に以下の流れを辿ります。

株式会社 設立 流れ

主に上記のような流れで会社を設立していきますが、今回は③の定款の作成⑤の設立の登記に注目してみましょう。

どちらも専門的な知識がなければ手続きが難しい分野のため専門家への依頼する人も多いですね。

しかし、定款の作成は行政書士も司法書士もできるのに対して設立の登記だけは行政書士はできません。

図に纏めると以下のようになります。

定款の作成 設立の登記
行政書士
司法書士

 

つまり、会社設立の依頼があったとしても行政書士一人では定款の作成まではできても設立の登記はできないということになります。

そのため行政書士が会社の設立をしようとする時は定款だけ作成して登記だけ司法書士に依頼するか、登記だけは本人にやって貰う必要があります。

司法書士に依頼すれば全部任せられる点を考えると、依頼者側からしたら行政書士にはちょっと頼みづらいですよね。

 

もちろんこれは一例のため、行政書士だけで完結する業務というのもたくさんあります

しかし、行政書士の行える業務が広すぎるゆえに、このような士業の独占業務の壁に当たるケースが多く中途半端になりがちなことも多いです。

司法書士ならば基本的にできる業務は決まっていてシンプルなうえ、需要もしっかりと確立されています。

 

私の行政書士事務所にも登記が必要な依頼は割と来るわりに、行政書士単独で完結する仕事というのはあまり来ませんでした。
そのため、業務を行う上で使い勝手が良いのは司法書士だと感じました。

行政書士のできる仕事は非常に多く一説によると2,000種類以上もあると言われており、この業務範囲が魅力の1つでもあります。
具体的な仕事内容を知りたい方はぜひ以下の記事を参考にしてください。

行政書士の仕事とは?できることの範囲を解説

 

行政書士と司法書士はどっちが難易度が高い?

行政書士と司法書士はどちらも試験を合格して取得する資格です。
※公務員や裁判所事務菅などの一定の実務経験を積むことで取得することもできますが、今回は言及しません。

行政書士と司法書士では基本的に取得の難易度が全く異なり、圧倒的に司法書士の方が難しいです

筆者も両方の試験を受験していますが、司法書士を取るのは行政書士を3回取るよりも難しいとさえ感じました。

なぜ、これほどまでに試験の難易度に違いが出るのかを解説していきます。

 

行政書士と司法書士の試験内容の違い

行政書士試験と司法書士試験の概要の簡単な比較は以下の通りです。

行政書士試験

平均勉強時間:600時間

  • 憲法
  • 民法
  • 商法(会社法)
  • 行政法
  • 一般知識

合格率10%前後
合格者4,000人~5,000人程度

司法書士試験

平均勉強時間:3,000時間

  • 憲法 
  • 民法 
  • 商法(会社法)
  • 刑法
  • 民事訴訟法
  • 民事執行法
  • 民事保全法
  • 司法書士法
  • 供託法
  • 不動産登記法
  • 商業登記法

合格率3%前後
合格者600人~700人程度

※赤字は両方で重なっている科目

試験科目だけ見ても司法書士の方が多い上に、重なっている科目でさえさらに細かい知識が求められます。

そのため司法書士の方が圧倒的に難しいと言われているため、司法書士試験の合格を目指すならばかなりの覚悟で勉強に挑まなければなりません。

行政書士と司法書士の難易度の違い

行政書士の平均的勉強時間が600時間なのに対して、司法書士は3,000時間と言われています。

行政書士試験と司法書士試験の難易度の違いは、これだけでも十分伝わると思います。

 

これほど難易度に違いが出る理由としては、そもそもの試験科目の数や問われる知識の深さというのも大きいですが、
記述式試験が大きな理由として上げられます。

行政書士試験にも司法書士試験にも記述式の試験はありますが、行政書士は40文字程度の解答を3問出題されるのに比べて、司法書士の場合は例題に沿って実際の登記申請書を作成することになります。

この登記申請書の作成は、不動産登記と商業登記のあらゆる知識を組み合わせて作成することになるため、短答式で成績が良くても簡単には作れるものではありません。

問われる知識の差が圧倒的に異なりますね。

 

 

行政書士と司法書士のダブルライセンスについて

ここまで行政書士と司法書士を比較してきましたが、最も良い方法は行政書士と司法書士のダブルライセンスを得ることです。

 

ダブルライセンスとは二つの資格を取得することを言い、現在活躍している人の中にはダブルライセンスを取得している方は多いです。

ここまで、司法書士の方が行政書士より取得は圧倒的に取得が難しいということを説明させて頂きましたが、司法書士は行政書士の上位資格という訳では決してなく、お互いできる業務が異なる全く別の資格であり、ダブルライセンスを取ることでお互いの資格をフルに活かすことができます

行政書士と司法書士のダブルライセンスのメリットは?

業務内容でも解説した通り、司法書士にはできないことが行政書士にはできたり、その逆もしかりのため共存共栄の関係にあります。

ですが、ダブルライセンスを持っていれば、どちらの依頼が来たとしても自分一人で対応することができるようになるため、顧客層も広がる上に、利益アップにも繋がります。

 

実際に業務を行っていると、行政書士事務所に登記が必要な依頼が来たり、司法書士事務所に行政書士にしかできない許認可の依頼が来たりして、もう一方の資格を持ってればよかったなと感じる瞬間が多々あります

ですが、ダブルライセンスを所有しておくことで、どちらの依頼にも状況に応じて対応することが可能です。

できることが増えて業務の幅が広がれば、それだけ顧客の満足度を上げることができるため、ダブルライセンスという存在自体が自分の強みになり、周りのライバルと差をつけることもできますね。

 

行政書士と司法書士はどっちから取るべき?

行政書士と司法書士をどちらから取るべきかについては、正しい正解はありません。

簡単な行政書士だけとりあえず取ってしまう人もいれば、難しい司法書士にまずは挑戦する人など様々です。

そのため、資格の難易度や、将来像を思い浮かべて選択するのが正解です。

 

しかし、上述でも解説しましたが、行政書士試験の科目の多くは司法書士試験の科目にも含まれています

そのため、司法書士を目指して勉強しながら、行政書士試験の直前だけ科目が重ならない行政法を勉強するという方法を取ることもできるのです。

筆者はこの方法でで行政書士試験を目指し、行政書士試験の2か月前から行政法を勉強することで行政書士試験を合格することができました。

逆に簡単な行政書士試験を目指してみて、合格してから司法書士試験の勉強を始めることで、非常に有利に試験勉強を始めることもできます。
下記で詳しく説明しますが、行政書士と司法書士のダブルライセンスがあればとても有利に業務を行えるため、このような取得方法もアリですね。

 

行政書士になるには?

行政書士になるには2つの方法があります。

1つ目が行政書士試験に合格する方法です。
行政書士を目指すならば多くの方はこちらの方法で取得することになります。

もう一つが公務員の実務経験を積んで行政書士になる方法です。

国または地方の公務員として事務を担当した期間が17年、高卒又は大学卒業以上ならば17年以上勤務することで行政書士となる資格を得ることができます。

こちらは勤務経験で確実に資格を取ることができるメリットがあり、実際にこの方法で登録している行政書士も多くいます。

行政書士の資格を取るために公務員で下積みする人というのはあまりいないため、公務員として働いた結果として行政書士の資格が手に入るくらいに考えておいた方がいいでしょう。

ビジネス
参考行政書士の登録をしないとどうなるの?登録の期限やメリットを解説

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司法書士になるには?

司法書士になる方法も行政書士と同じく2つの方法が存在します。

一つは司法書士試験を合格する方法です。

もう一つは実務経験を積んでなる方法です。
裁判所事務官、裁判所書記官、法務事務官もしくは検察事務官として職務に従事した期間が10年以上であり、法務大臣の認定を受けた者も司法書士になる資格を有します。

ただ、こちらの仕事に就くのはかなりの狭き門なため、司法書士になりたいならば司法書士試験を目指すのが一般的ですね。

司法書士と行政書士のダブル受験は可能?

なかには同じ年に司法書士と行政書士のダブル合格を目指す人もいます。

司法書士は7月、行政書士は11月であるため試験は問題なくダブル受験はできますが、問題なのはダブル受験をして合格ができるのかという点ですね。

この点については司法書士を合格できる実力があるのならば十分狙っていけるはずです

 

司法書士の試験範囲はと行政書士の試験範囲をほぼ包括しており、ダブル受験の相性も良い資格です。

司法書士を合格できる実力があるならば、行政書士試験の対策をしていなくてもある程度の得点は望めるはずでしょう。

しかし、一つ問題なのが、行政書士試験の方にのみ「行政法」がある点です。
こればかりは司法書士試験の勉強だけでは対策はできません。

さらに、この行政法は行政書士試験の中でも配点の高い科目であるため、合格のためには対策は不可欠です。

 

ですが、司法書士試験終了後の3か月があれば行政法も十分合格点レベルまで伸ばすことはできます

そのため、ダブル受験を目指すならば7月までは徹底して司法書士試験に専念して、その後で行政書士試験の行政法対策に力を入れることが合格への近道になるでしょう。

 

まとめ

  • 行政書士と司法書士ならば司法書士の方が取得は圧倒的に難しい
  • どちらを取るべきかは、できる業務が異なるため、自分の将来像と比較しながら選択するのが良い
  • ダブルライセンスを取ればお互いの業務のいいとこどりをできるためおすすめ。

-行政書士