Aさんのお悩み
私は今高校2年ですが大学に行くべきか就職するべきか悩んでいます。
周りからは大学に行くべきだと言われますが、高卒で仕事を始めて楽しそうに働いている先輩を見ていると、大学に行く意味なんてあるのかな、なんて考えてしまいます。
どちらの道を進むべきでしょうか。
この前まで同じ学校で過ごしていた先輩がすでに社会人として働いている姿を見ると、キラキラしてカッコよく見えますよね。
自分もすぐに働きたいと言う気持ちは良く分かります。
ですが、高校を卒業した後の進路は、まさに人生の岐路と言っても過言ではありません。
この記事を書いた私も高校を出てすぐに働き始めましたが、楽しかったこともあれば後悔したこともたくさんありました。
正直大学に進んでいれば良かったと感じる時は多々あります。
もちろん、それは人それぞれで高卒で働いて本当に良かったと後悔も何もない人も大勢いるでしょう。
そうなれれば幸せかもしれませんが、必ずしもそうなるとは限りません。
この記事では、そんな高校を卒業して働くべきか進学するべきか悩んでいる方のために、私と同じ後悔をしないように経験談を交えながら解説していきたいと思います。
Table of Contents
高卒で就職すると楽しい?
高校を卒業してすぐに働き始めれば、学生時代は得ることができなかったような金額をお給料として貰うことができ、
一気に世界が広がったような気持ちになります。
また、仕事自体も新鮮に感じたりと人生がグッと楽しくなったように感じる人も少なくありません。
ここで、そんな高卒で働き始めて幸せに生活している方の体験談を一つご紹介したいと思います。
Bさんの体験談
私は高卒で就職をしてよかったと感じています。
今の職場は良くも悪くもそこまで専門的な知識が求められる仕事でもないということもあり、学歴よりも職歴やその人の人格を評価するという社風です。
今の仕事は本当に楽しいですし、やりがいもあります。
お給料に関しても周りの大卒の同級生と比べてもそこまで変わらない金額を貰えています。
おそらく大学に行っても行かなくてもこの会社でやることや評価は変わらなかったと思いますし、
当時は大学に行くお金もなかったので、もし行くならば奨学金を借りて大学に行ってたことになります。
奨学金がある分、もし大学に行っていたらかなり大変だったと思います。
そのような理由もあって私は高卒で就職してよかったと感じています。(30代/男性)
この方のように高卒で就職して良かったという人も多くいます。
高卒で就職する最大のメリットは、大学に行かない分だけ夢を追いかけることができたり、現場経験を多く積むことができる点が考えられます。
特に技術職の場合は、高卒で就職した職場に、同じ歳の大卒者が入社して来たときにはすでに4年の現場経験を積んでいるため、きっとその職場では大卒者よりも便りにされることでしょう。
仮に今の職場が潰れてしまったとしても手に職をつけながら長年頑張って来た職場が潰れてしまったりしたときに、
大学に行かずに経験を多く積んでいたことが幸いして、次の職場がすぐに見つかったという人もいます。
大卒だけがすべてはなく、このようなメリットもありますね。
まずは高卒で就職して良かったケースをご紹介させて頂きました。
次で高卒で就職して後悔したケースをご紹介させて頂きたいと思います。
高卒で就職して後悔した理由
上記のように高卒で働き始めて幸せに暮らしている人もいれば、なかには後悔する結果となった人もいます。
そこで、高卒で働き始めて後悔した理由を幾つかご紹介していきたいと思います。
①学歴による転職・就職の制限を受ける
20代の内は若さで転職がうまくいくことも多いです。
しかし、30代も近くなってくると、高卒の場合は就職や転職の幅というのは非常に狭くなります。
不景気が続く現代で、今の職場が絶対に安定し続けるとは言い切れなくなってきており、30代40代になってから会社の倒産などにより新しい仕事を探さなければならなくなった際、高卒の場合だと書類選考を通過することも難しくなり苦労することも考えられます。
少しでも転職を有利にしようと資格の取得に挑もうにも、国家資格の多くには学歴による受験資格が設けられており、
資格を取って転職と言う手段も絶たれるなんて可能性だってあります。
働いている中でやりたい仕事や就きたい仕事が見つかることもあるでしょう。
しかし、そうなったときでも必ず学歴の壁にはぶつかります。
少しでも早く社会に出て働きたいという気持ちがあるならば、なおさら大学には行くべきでしょう。
②周りからの目が辛い
高卒ということが周りに知られると、どうしても白い目で見られることがあります。
差別とまではいかなくても、高卒だと分かった時点で相手を見下し始める人というのは多かれ少なかれどこにでもいるはずです。
自分は自分と言い聞かせても、簡単に割り切るのも難しく、学歴コンプレックスを抱えたまま生活していくことに、いつか苦しむときが来るかもしれません。
学歴コンプレックスという言葉がありますが、これを感じ始めるのは30代になってからという方が多いです。
20代の内は若さと勢いという武器があるため、学歴がなくても意外とどうにかなってしまうこともありますが、
30代になってその武器も弱くなり始めた頃に学歴の強さを知り、段々と高卒であるということに負い目を感じ始めるのではないかと言われています。
③将来に対して不安を感じる
上述した通り、学歴が高卒の場合はできる仕事の幅は間違いなく狭まります。
いつ何が起こるか分からず、40代50代となったとき自分になにかあったときにどうなるんだろうと、夜中ふと不安で目が覚めると言う人もいるくらいです。
少しでも資格などを取得して手に職をつけようとしても、資格の受験資格にも学歴による制限などがあり、思ったように取得もできず八方塞がりになる可能性もあります。
努力や頑張りで解消できることではないだけに、学歴の壁は歳を取るごとにどんどん押しかかってくることでしょう。
④大卒の人と比べて生涯収入が低い
どうしても大卒で働き始めた人と比べて、高卒者の生涯で貰える収入は低くなる場合が多いです。
これが生涯収入にどれほどの差があるか考えてみましょう。
高卒の場合、大卒者より4年早く働けているためその分のアドバンテージがあります。
仮に高卒で大卒者よりも4年多く働けたとして、ボーナスなどを除いて計算すると、
167,000円×48か月で801万円のアドバンテージがあると仮定します。
一方で大卒者は大学を出てから生涯に渡り高卒者と比べて4万円多く貰えると考えた場合、仮に801万の差が最初にあったとしても大体20年後には大卒者の方が高卒者の収入を追い抜かしていることになります。
そのあとも差が広がり続ける上に、実際はボーナスやキャリアアップの差もあることから、やはり最終的に貰える生涯年収は大卒者の方が圧倒的に高額となることが分かりますね。
高卒で就職して後悔するか悩むなら大学にいこう
ここまで高卒で良かった理由と後悔した理由をそれぞれ解説してきました。
どちらが正しいなんてものは存在しませんし、最後に決めるのは自分自身です。
ですが高卒で働き始めた私の経験から言わせて頂くならば、
私自身、高卒で働き始めて良かったと思うこともたくさんありましたが、それでももう一度同じ選択ができるならば大学に行く選択肢を選んだと思います。
たまに高卒では生きていけないなんて言う人もいますが、これははっきり言って間違いです。
業種によっては学歴よりも人柄やスキルが重要視されるところも多くあり、そういったところであれば高卒で実務を長く積んだ人の方が活躍できる場所もあるでしょう。
そのため、高卒のすべてが悪いとは言いません。
ですが、高卒であることで選択肢の幅が狭まるのは間違いありません。
生きて行くうえで年齢を重ねるごとに必要となるお金はどんどん増えて行きます。
今はよくても、いつか給与面などに悩んで転職を考えたとき、大卒者の割合が非常に多い現代において、高卒の場合は書類選考すら通らないようなことも多いです。
このように、条件の良い仕事は大卒者からどんどん埋まっていくため、
生きていけないとまでは言わなくても、高卒者の場合は取れる選択肢の幅が狭まる可能性が高いです。
「家業を継ぐため」や、「将来の夢のために少しでも早く社会に出る必要がある」などの理由がある方は、高校を卒業して就職というのは選択肢として充分ありえると思います。
ですが、たまに冒頭の相談者の方のように大学に行く意味が見いだせないという理由で高校を出て就職しようとする人もいますが、はっきり言って大学に行く意味を持って進学する人なんて本当に一握りです。
高校生の内からそこまで将来のことを考えて動けというのも無理な話なので、これは仕方ないことかもしれません。
大学で勉強をしたり、友人と遊んでいく中で将来の目標を見つけても決して遅くはありません。
目的がないから大学に行かないではなく、将来の目的を探すために大学に行くというのも立派な選択肢です。
そのため、個人的な意見にはなりますが、もし大学に行ける環境があるならば大学に行くことをおすすめします。
それでも、どうしても高校を出て働きに出たい方は、
最近は便利な世の中になっており、4年制の大学に無理行かなくても、通信制の大学という選択も豊富にあり、働きながら大学に行くこともできます。
大学に行くか行かないかの二択ではなく、このような選択肢を視野にいれて考えてみてもいいかもしれませんね。
高卒でも働ける将来性のある仕事
高卒でのメリットやデメリットを解説してきましたが、高卒で働くということは大卒の人よりも長く社会人経験を積めると言うことでもあります。
そのため、経験が重要視されて将来性の高い業界で経験を積めば、大卒の人よりも先にスタートダッシュを切れている分、有利に活躍していくこともできます。
年齢を重ねると、高卒者の方の転職が難しくなっていくのは間違いありませんが、将来性の高い業界で働いて経験を積んでいれば、高卒の人にとっても仕事探しの際に非常に有利になります。
そこで、将来性の高いと言われる業界をいくつかご紹介していきます。
介護・福祉職
高齢化社会が進む中で、介護・福祉業界の需要はどんどん高まっています。
介護職と言うときついイメージや給料の低い印象があるかもしれませんが、最近では待遇の改善に国も力を入れており、給料なども上昇傾向にあります。
経験を積むことでキャリアアップや資格を取得しやすくなるなど、長く続ければ続けるだけ有利になることができます。
また、キャリアを積んで資格などを取得していけば、今の職種だけではなく、児童分野や、社会福祉の分野など様々な分野に挑戦していくことだってできます。
今後需要が確実に高まる介護・福祉の業界は学歴に自信がないという方にはとくにおすすめの仕事と言えますね。
IT職
IT業界は、非常に注目の業種の一つです。
生活のIT化は近年加速しており、需要はまさにウナギ昇りと言えます。
学歴よりも経験や実力が重要視される世界ですので、その人の腕前次第ではどこまでもキャリアアップしていくこともできますし、
実力があれば独立して自分で起業することも可能です。
需要も高く、学歴だけで決まらないIT業界も高卒の人にはおすすめの仕事です。
プログラミングは数学の知識も必要だって言うし、勉強や理系の知識に自信がないと言う人でも実はプログラマーを目指すことは全然可能というのはご存じでしょうか?
学歴や知識がなくてもプログラマーを目指せる理由については以下の記事で解説しているので参考にしてください。
営業職
営業職は、募集の数が非常に多く働けるハードルは比較的低い職種の一つです。
大変なことやきついことも多い仕事ですが、コミュニケーション力やプレゼン力があれば大卒の人とでも実力で渡り合っていけますし、どんどん上に昇っていくことも可能な職種ですね。
また、営業で得られるスキルは、どこに行っても役に立つと言われることもあるため、しっかりとした経験を積んでいれば転職の際などでは有利に働くこともできるはずです。
高卒だと仕事がないって本当?
ここまで高卒者の人の転職や就職の難しさを解説してきました。
そのような理由もあってか高卒では仕事がないなんて言う人もいますが、仕事がないと言うのは間違いなく言い過ぎでしょう。
高卒であってもできる仕事はたくさんありますし、30代、40代で転職を成功させている人は大勢います。
ですが、年齢を重ねると高卒者の転職が厳しくなって来るのは事実です。
若い内は、企業側も人を育てると言う理由も含めて学歴がなくても人柄やポテンシャルで雇ってくれることもありますが、
年齢を重ねるとそのアドバンテージもなくなり、学歴や職歴が重要視されるようになってきます。
職歴や実績に強みがないと、やはり学歴の高い方を優先することが多いため、他の大卒を優先されて仕事がないという状況になることは多くあります。
一方で、手に職が付くような仕事を高校を卒業してから長く続けてスキルなども身についていれば、
たとえ40代などで会社がつぶれるなどして仕事がなくなったとしても次の仕事は意外と簡単に見つかったりします。
大卒の人よりも長くキャリアや経験を積むことができるのは高卒のアドバンテージです。
学歴に不安を感じて、将来の心配をするならば、なるべく手に職をつけられる仕事を早めに選んで、経験を積むことをおすすめします。
高卒は仕事を選べない?
上述したとおり、高卒でも仕事はありますし、経験や業界によっては仕事を選ぶこともできます。
ですが、大卒者と比べて選択肢が狭くなるというのは正しいでしょう。
同じ未経験の職種に、高卒と大卒の人が同時に申し込まれれば、まず大卒の人を優先させます。
また、それ以外にも応募条件が大卒が条件になっていたり、
転職のために新たに資格を取得しようにも、学歴で受験資格が制限されるものも多いです。
そのため結果的に仕事は選べなくなっていく可能性はあります。
高卒でも仕事の幅を広げたいと考えるならば、なるべく早いうちに資格などを取得しておくのも大切ですね。