女性Aさんのお悩み
事務の仕事をしたくて、医療事務の資格を取ろうと思っているけど、周りからは取っても意味ないなんて言われます。
医療事務の資格はよくCMなどでも流れていたりして有名だと思っていたので、取っても意味ないというのはちょっと意外でした。
なんで医療事務の資格は意味ないなんて言われるのでしょうか。
その理由と、取るべきかのアドバイスを貰えたら嬉しいです。
医療事務の資格を調べると「医療事務の資格をとっても就職できなお」という意見もあれば「医療事務の資格で転職できた」なんて色々な声が聞かれますね。
実際のところは、医療事務の資格を取ることでどのようなメリットがあるのでしょうか。
この記事では医療事務の就職事情と実態をあわせて解説していきます。
目次
医療事務の資格では就職できないと言われる理由
医療事務の資格は調べると取るだけ意味がないなんて言われることも多いですね。
知名度も高く、人気の資格である医療事務ですがなぜ意味ないなんて言われることがあるのでしょうか。
その理由を一つずつ解説していきます。
①民間資格であるため
医療事務が意味ないと言われる最大の理由がこれです。
医療事務の資格はすべて民間資格として存在し、国家資格は存在しません。
資格には大きく分けて国家資格と民間資格があります。
国家資格は法律に基づいて認定される資格であるため、信頼性も高く価値も高いです。
しかし、医療事務についての資格は特に法律での定めがないため国家資格は今のところ存在しません。
あるのは民間団体が独自で認定している「民間資格」がいくつか存在する程度です。
そのため、医療事務に関する資格は現状ではすべて民間団体が独自に出している民間資格のみになります。
このように民間資格は国家資格と比べるとどうしても信用性が低い傾向にあり、面接などでも国家資格ほど重要視されないことが多くあります。
その程度は面接官や会社の方針にもよりますが、場所によっては民間資格そのものをまったく評価してくれないようなところもあるくらいです。
医療事務の資格はある程度認知度の高い民間資格も多いため評価はされやすい傾向にあるようですが。
②医療事務の仕事をするために資格は必須ではないため
医療事務が民間資格であることは上述した通りですが、
民間資格には信用性が国家資格で低いだけでなく、もう一つの欠点があります。
それは国家資格のように業務独占と名称独占がないことです。
国家資格には資格によって業務独占資格と名称独占資格に分類されることがあります。
業務独占資格とは、特定の業務に従事するには該当する国家資格を有している必要があることを言い、
名称独占資格とは、その国家資格の有資格者以外の人が、その資格者を名乗ることができないことを意味します。
たとえば、医師免許は業務独占資格と名称独占資格のどちらにも該当するため、
医師免許の有資格者以外が医療行為をすることもできないですし、医師を名乗ることもできません。
つまり、国家資格として定められてない医療事務は、資格を持ってない人でも業務に従事することはできますし、名乗ることも自由と言うことになります。
医療事務という資格ができる前から医療事務の仕事はありましたし、
医療事務の現場では資格を持っていない人も多くいます。
資格を持たずに現場で知識と経験を積んで来た人たちからすれば、資格がなくても何も不自由がないため、
医療事務の仕事をしている人からしてみれば医療事務の資格なんて意味ないと言う人が多いのもうなずけますね。
③現場で役に立たない知識もある
医療事務の学習の過程で得た知識の中には、現場では使うことがないような知識も多くあります。
ただし、これに関してはどんな資格でも、すべての知識を現場で使うことはまずありません。
ですが、現場で活躍している人からしてみれば、「こんな知識は現場じゃまったく役に立たない」と言われることもあるでしょう。
医療事務を取るメリット
ここまで医療事務では就職できないと言われる理由について解説してきました。
たしかに、医療事務の資格が仕事をするうえで必須ではない以上、意味ないと言う意見が出てくるのは間違ってはいないでしょう。
しかし、まったくの無意味であるとは思いません。
取得してもまったく役に立たないのならば取得する人はいないはずですが、それでも一定数の取得者を維持しています。
それには医療事務のメリットがあるためです。
面接で有利になる
医療事務は人気の高い仕事の一つです。
事務の仕事の人気に加えて、病院やクリニックは待遇の良いところも多いため、求人に応募者が殺到し高い倍率になることもしょっちゅうです。
そのため、医療事務の知識がまったくない人よりも、医療事務の資格を取得する程度の基礎知識があると資格で証明ができるのはライバル達に差をつける強い武器になるはずです。
有資格者のみの求人も多い
医療事務の仕事は誰でもできるとは言いましたが、求人によっては医療事務の資格を応募条件にあげているところもあります。
そのような求人に対しては医療事務の資格が必須となるため、当然無資格者が応募しない分競争率も低くなります。
資格が仕事に絶対必要ではありませんが、転職対策には十分役にたつことはあるはずです。
学歴に関係なく誰でも取得できる
資格の中には受験資格として学歴や実務経験が一定以上必要と定められていることも多く、挑戦したくてもできない資格も多いです。
しかし、医療事務の資格はそのような制限がなく誰にでも挑戦することができます。
また、取得自体の難易度もそこまで高いという訳ではないため、仕事や家事に忙しい方でもスキマ時間を使って資格を取得できるというのは強いメリットですね。
未経験でも医療事務に採用された?その成功方法を大紹介
さて、ここまで医療事務の資格を取得しても簡単には就職が難しい理由をご紹介してきました。
ただでさえ就職が難しい医療事務ですが、事務職未経験となるとかなり険しい道のりとなるでしょう。
ですが、未経験でも医療事務の仕事に採用されたという人も、実は意外といたりします。
そんな未経験で医療事務に採用された人たちに共通する特徴を何点かご紹介していきたいと思います。
事務に役に立つ資格を持っている
事務に役に立つ資格は決して医療事務だけではありません。
医療事務以外にも持っていれば面接官にアピールできる資格は多くあります。
たとえば経理などにも対応できる日商簿記や、ビジネス文書検定。
特に最近ではIT関係の資格は一目置かれることも多く、
MOSやITパスポートなどは比較的簡単に取得が可能です。
また、最近では外国人の利用客も増えていることからTOEICで高得点が取れている人を優先的に雇うなんてところもあるので、ねらい目の資格の一つかもしれませんね。
面接時の受け答えが丁寧
医療事務の仕事はお客様や同じ施設内で働く医療従事者、周りの同僚たちとも連携を取りながら作業をしていく必要があるので、
周りとの協調性やコミュニケーションが非常に重要となります。
そのため、面接時にはきちんと人間関係を取れる人か、周りと上手に連携を取れる人かという点は、事務スキルと同じくらい重要視されます。
そのため面接時は丁寧でなるべく相手が聞き取りやすい口調で話し、笑顔なども忘れず明るい印象を与えることで、面接官からの印象も良くなるはずですね。
医療事務の資格はどこでとるのがいい?
医療事務の資格は様々な団体が認定しています。
医療事務について調べてみると、種類がたくさんあるし名前も似たようなものが多くてどこでとるのがいいか分からないなんて方も多いのではないかと思います。
資格名 | 認定団体 | 合格率 |
診療報酬請求事務 | 日本医療保険事務協会 | 30~40%程度 |
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク) | 日本医療教育財団 | 60%程度 |
診療情報管理士 | 日本病院会 | 60%程度 |
医療事務管理士 | 技能認定振興協会 | 50%程度 |
合格率や、学習内容、必要な講座受講のための金額も異なるため、それぞれを見比べて自分に合った医療事務を目指すのがおすすめです。
しかし、診療報酬請求事務は、医療事務のなかで唯一の公的資格と呼ばれている資格であるため他の資格とは少し毛色が異なります。
その理由としましては認定している公益財団法人日本医療保険事務協会が厚生労働省から認可を受けた団体が行っているため、一般的な民間資格よりは信用度が高い資格と言われています。
取得難易度も医療事務の資格の中では最高峰と呼ばれる難易度の試験です。
他の資格と比べ合格率も低く取得難易度も高いですが、その分評価も高い資格となっています。
もし、自信のある方は、この診療報酬請求事務を目指してみてもいいかもしれませんね。