「行政書士として開業をしたいけど現実的に稼げるの?」
「実際の行政書士の現実ってどうなの?」
こんなお悩みにお答えします。
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行政書士の未経験者がいきなり独立・開業して成功した体験談
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行政書士の年収の現実
「行政書士を開業して年収1,000万円!」こんな文言を見たことはありませんか?
正直言って、行政書士を開業して年収1,000万円にたどり着くのはごく一部です。
もちろん、年収1,000万円を達成している行政書士はいますが、そのごく一部の成功者の下には100万円~300万円程度の年収で悩み続ける行政書士が山ほどいます。
このように多くはサラリーマンの平均年収を稼ぐこともできないどころか、開業して一度も仕事の依頼を受けることができないまま廃業した行政書士もいるくらいです。
この記事の筆者も行政書士として開業経験を持っており、同期は20人近くいましたが、その中でも行政書士業だけで初年度から100万円以上稼げたのでさえ聞いたところによると3人程度でした。
(元々不動産業や別に会社を営業していてそちらでしっかりと稼いでる人などはいましたが・・・)
行政書士は3年以内に廃業する人が多いと言う言葉をこの業界ではよく聞いていましたが、この言葉も決して大げさではなく、どれほど行政書士として成功する難しさを物語っています。
もちろん、成功すれば1,000万円どころかさらに稼げる可能性のある分野ではありますが、独立や開業への憧れ、年収1,000万円への憧れだけで開業をするとそのギャップと厳しさに押しつぶされます。
次に行政書士の開業後の現実について解説していきます。
行政書士の現実
①行政書士の開業から半年は仕事がないなんて当然
士業と聞くと弁護士に税理士など立派なイメージがつきやすく、行政書士も周りから見ると立派な仕事というイメージを受けやすいです。
そのため、開業さえして看板を出してホームページを作れば自然にお客さんが来ると思っている方もいますが、これに関しては逆どころか、放っておいてもよほどの好立地でもない限りお客さんが自然と来ることはありません。
軌道に乗るまでは周りの士業の方と交流を持ち、地道な営業活動を行い、対応できるだけの実務の知識を養うなど、地道な努力が必要です。
軌道に乗ってからも安泰ということはなく、質の良いサービスを提供し続けなければあっという間にお客様はよそへ行ってしまいます。
そのため、行政書士を本業とするのではなく、副業という形で活躍する行政書士も増えて来ています。
行政書士の副業の実態は「行政書士の副業で儲けるサラリーマンの稼ぎ方」
②将来は仕事がなくなる?
人の仕事はAIに奪われるなんて話をよく聞きますが、行政書士の仕事はその影響を受けやすい分野と言われています。
行政書士の仕事は一言で言えば「書類の代理作成」が主であり、代書屋なんて呼ばれることもあります。
実際に書類の作成は複雑な手続きも多く、一般の方がやると非常に大変で間違える恐れもあるため、行政書士に依頼することで確実に任せることができるため、依頼する方も多くいます。
しかし、AIの発達により今後申請書類の作成は専門家の手が必要なくなるのではないかと言われており、
電子申請の制度も今後ますます発達していき、一般の方でも簡単な入力で手軽に申請ができる時代が近くまで来ていると感じる場面は多くあります。
そうすれば行政書士の存在価値は下がっていくことになるでしょう。
もちろん、人の話を聞きながら臨機応変に書類を作成するという点に限ってはまだまだ人の手でないとできないため、今すぐに仕事がなくなるなんてことはありませんが、
上述した通り競合が激しい行政書士の仕事がさらにAIに奪われるとすれば今後ますます競争は激化していくことでしょう。
③行政書士の求人はほとんどない
開業して結果が出なかったとしても資格があるんだから行政書士事務所に転職すればいい
実は行政書士の求人というのは驚くくらい少ないのです。
その理由としては以下のものが考えられます。
- 個人でやっている行政書士がほとんどのため人を雇う余裕がない
- 行政書士の資格者を雇うメリットが薄い
このような理由が挙げられます。
雇われ行政書士の年収は?
上述した通り求人は少ないという話はしましたが、全くないと言うわけではありません。
ある程度の大手になってくると人手も必要となり求人を出しているところもあります。
規模の大きさも様々な上に行う業務も幅が広いため平均的な年収というのは難しいですが、よく言われるのが300万〜500万程度で調整しているところが多いようです。
決して高い金額ではありませんね。
行政書士を開業した人の年収への本音
行政書士を開業した人たちは現在の年収や現状についてどう思っているのでしょうか?
実際の体験談をまとめました。
行政書士Aさん(開業3年目年収300万)の体験談
自分で開業をして仕事をするということに憧れていたため、開業資金を貯めて3年前に開業しました。
元々コネがあったわけではないので、最初はビラ配りに、飛び込み営業、インターネット作成など思いつく限りの営業をしてみました。
実際に問い合わせは何件か来ましたが、相談に来たはいいもののその後音沙汰がなかったり、自分では対応できないような依頼も多く、最初はほとんど安定せず、初年度の売上は100万円程度でした。
毎日が不安で仕方なかったですが、段々と営業や業務のコツ、他の士業の先生方との交流も増えてきたこともあり今は少しずつ顧客も増えてきたり、比較的仕事も安定してきました。
しかし、同期の行政書士が少しずつ廃業の連絡が来たりすると、明日は我が身と不安になります。
行政書士Bさん(開業1年目年収50万円)の体験談
行政書士の資格は10年以上前に取得していましたが、特に開業する予定などはありませんでした。
しかし、去年に親の遺産が多く入って来て余裕が出たこともあり、思い切って脱サラして行政書士を開業しました。
相続や遺言は誰でもなじみがあるため地道にやっていけば自分の食い扶持くらいは維持できるだろうと思っていましたが、やはり現実は甘くなく、必死に営業してもまるで仕事には繋がらず悩んでいます。
現在はまだ遺産を食い潰している状況から抜け出せていません。
行政書士として開業したことに後悔はありませんしやりがいもありますが、このままではいけないと思っているため打開策を検討しています。
行政書士開業を後悔しないために
ここまで解説してきた通り、行政書士は開業しても決して誰でも儲かる仕事では決してありません。
1000万円を稼ぎ出すような行政書士はよほどスキルがあるか、人付き合いが上手いような人たちで、むしろ、ほとんどは3年以内に廃業するのが現実です。
難易度の高い行政書士試験を突破した高揚感から、後先考えず脱サラして開業をしてしまう方がいますが、はっきり言ってこういう人たちのほとんどが廃業して後悔していきます。
せっかく取得した行政書士の開業で後悔しないためにも、他の資格を取ってダブルライセンスの状態にして自分の強みを見つけてから始めたり、しっかりと人脈を作り上げてから開業することが大切です。
ダブルライセンスにおすすめの資格として、社労士や宅建士などがありますが、難易度が高くても構わないという方は司法書士をおすすめします。
行政書士の仕事の性質上、登記の仕事は切っても切り離せないため、司法書士とのダブルライセンスを持っていればかなりの強みになるでしょう。
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司法書士と行政書士はどっちが稼げるのか徹底比較
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